2001年06月04日ユニクロはやっぱり凄い
カテゴリー価値ある情報」
内部の人間じゃないとわからない話
先週、土曜日にキーマンネットワーク定例会がありました。
土曜にやるってのは、実は18年間で1度もないんです。普通は平日の午後6時半からなんですね。だから、はじめてのことなんです。
でも、おかげで「はじめて参加します」という人とかなりお会いすることができました。平日なかなか時間が取れないって人は少なくありません。とくに医者や歯科医といった病院関係者は土曜の夕方じゃないとなかなか時間がとれないみたいですね。
そんなわけで、今回はユニクロの若き監査役の安本隆晴さんがゲストでした。
いま、書店に行くと「ユニクロ」とタイトルが付いた本が目白押しでしょ?
でも、ほとんどは取材された覚えがないものばかりとのこと。そういえば、社長の柳井さんの著書って見たことないし、役員で本を書いてるのは安本さんだけだもんね。しかも、こんなにブレイクする前の話。
で、今回、安本さんにわざわざ来てもらうに当たって、ユニクロ関係の本を少し読んだんですが、やっぱり、内部にいる人じゃないとできない話ってありますね。ものすごく勉強になりました。
そこで今回は、安本さんが話してくれたことの中から、「へぇ、なるほど」と感じた一端を少しだけご紹介することにします。
ユニクロって正式名称をファーストリテイリングって言うんです。
ファーストっていうのは、「第一の」ではなく「早い」という意味。だったら、ファストリテイリングだよね。
まっ、いいか。
で、創業はかなり古いんです。親父さんがやってたからね。1949年ですから、これは古いです。
いまの社長である柳井正さんが入社したのは1972年のことです。当時、社員7人。それがあっという間に1人だけになります。あぁだ、こうだと原理原則を突きつけたからでしょうね。なんと最初の数年間は朝6時にオープンしてたんですよ。地元の中高校生をお客さんにしたかったかららしいんですね。
ほかにも、ハンバーガー屋とかいろんなことに手を出します。そして、ことごとく失敗します。
そこでアメリカに行っていろんな店を見てきます。なかでもいちばん感心したのが大学生協だったそうです。
いったい、どこに感心したんですかね。
これがポイントですよ。
どこに心を動かされたのか。心を動かされるということは、発想が転換するか、あるいは逆に固まる瞬間なんです。
で、彼が感心したのは、「気楽に入って気楽に出られる店づくり」。これに感心したんです。
わかりますか?
一言でいえば、「自分にないもの(自分の店や業界にないもの)」にカルチャーショックを受けたわけですな。
いまのユニクロを見ればわかるでしょ? ねっ、気楽に入って気楽に出られるでしょ? デパートやそこらへんの紳士服店と違って、ピッタリ店員がついてきたりしないでしょ。
だから、「本屋とレコード屋にもカルチャーショックを受けた」って言ってますね。これも言ってみれば、「お客さん放ったかし」のサービスですよ。求められない限りサービスしませんものね。書店に入ったら、いきなり、「今日は中島さんの本が安いよ。奥さん、どう? 刺身のつまに」なんて、言われること無いでしょ?
先週、土曜日にキーマンネットワーク定例会がありました。
土曜にやるってのは、実は18年間で1度もないんです。普通は平日の午後6時半からなんですね。だから、はじめてのことなんです。
でも、おかげで「はじめて参加します」という人とかなりお会いすることができました。平日なかなか時間が取れないって人は少なくありません。とくに医者や歯科医といった病院関係者は土曜の夕方じゃないとなかなか時間がとれないみたいですね。
そんなわけで、今回はユニクロの若き監査役の安本隆晴さんがゲストでした。
いま、書店に行くと「ユニクロ」とタイトルが付いた本が目白押しでしょ?
でも、ほとんどは取材された覚えがないものばかりとのこと。そういえば、社長の柳井さんの著書って見たことないし、役員で本を書いてるのは安本さんだけだもんね。しかも、こんなにブレイクする前の話。
で、今回、安本さんにわざわざ来てもらうに当たって、ユニクロ関係の本を少し読んだんですが、やっぱり、内部にいる人じゃないとできない話ってありますね。ものすごく勉強になりました。
そこで今回は、安本さんが話してくれたことの中から、「へぇ、なるほど」と感じた一端を少しだけご紹介することにします。
ユニクロって正式名称をファーストリテイリングって言うんです。
ファーストっていうのは、「第一の」ではなく「早い」という意味。だったら、ファストリテイリングだよね。
まっ、いいか。
で、創業はかなり古いんです。親父さんがやってたからね。1949年ですから、これは古いです。
いまの社長である柳井正さんが入社したのは1972年のことです。当時、社員7人。それがあっという間に1人だけになります。あぁだ、こうだと原理原則を突きつけたからでしょうね。なんと最初の数年間は朝6時にオープンしてたんですよ。地元の中高校生をお客さんにしたかったかららしいんですね。
ほかにも、ハンバーガー屋とかいろんなことに手を出します。そして、ことごとく失敗します。
そこでアメリカに行っていろんな店を見てきます。なかでもいちばん感心したのが大学生協だったそうです。
いったい、どこに感心したんですかね。
これがポイントですよ。
どこに心を動かされたのか。心を動かされるということは、発想が転換するか、あるいは逆に固まる瞬間なんです。
で、彼が感心したのは、「気楽に入って気楽に出られる店づくり」。これに感心したんです。
わかりますか?
一言でいえば、「自分にないもの(自分の店や業界にないもの)」にカルチャーショックを受けたわけですな。
いまのユニクロを見ればわかるでしょ? ねっ、気楽に入って気楽に出られるでしょ? デパートやそこらへんの紳士服店と違って、ピッタリ店員がついてきたりしないでしょ。
だから、「本屋とレコード屋にもカルチャーショックを受けた」って言ってますね。これも言ってみれば、「お客さん放ったかし」のサービスですよ。求められない限りサービスしませんものね。書店に入ったら、いきなり、「今日は中島さんの本が安いよ。奥さん、どう? 刺身のつまに」なんて、言われること無いでしょ?
ユニクロはコンビニ流の経営だ
でもね、マネジメントとして押さえるべき点はきちんと押さえたんです。
えっ、どこを押さえたかって?
それが「売れ筋を欠品させない」という点です。
わたしはこの2点を聞いたときに、「なーんだ、コンビニの経営じゃん(横浜弁です)」て思いました。放ったらかしで欠品しない。これコンビニの特長じゃないですか。
ほかにもたくさん勉強しました。安本さん、2時間あまりも話してくれましたからね。
でも、あまり長くなると困るんで(誰が困る? わたしが困る。仕事に差し支えます。タダの原稿書いてるの、これだけなんです)、最後の一言だけにしときます。
ユニクロには23も経営理念があります。これはどんどん増えてるらしいんですね。あまり多いんで、安本さんが「3つか4つくらいに集約しませんか? わたしが原案作りますから」と訊いた。すると、柳井さんが「そんなことしないでくれ」って。
「このうち、1つでもいいから、社員が共感してくれればいいと考えてるのでは」と、いま、安本さんは思うようになったらしいです。それと、やっぱり自分で自分を戒めてるんだろうね。
そのうちから、1つだけ紹介しときましょう。
「ユニクロで一番発言力ある人。それは社長ではなく、お客様です」
もう1つおまけ。これはうろ覚えなんで、あとで確認します。
「自分が自分に対して最大の批判者になりなさい」
ねっ、見事ですね。こういう原理原則が人生でも経営でも大事なんです。
そこで、来月から「中島孝志が講義する原理原則研究会」を開講します。
「えっ、結局は宣伝だったの?」
そうです。今回は宣伝にかこつけた「価値ある情報」でした。