2001年04月30日大臣就任記者会見時に「朝日新聞」が示したこと

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過激派内閣の誕生


 総理が決まりました。

 予備選で圧倒的強さを示した小泉純一郎さんに風が吹きましたね。田中真紀子さんは論功行賞で外務大臣だそうです。

 でも、彼女、李登輝総統の日本再入国については慎重意見を持つなど、ちょっと拍子抜けしました。でも、そうしないと、ビザ発行にブレーキをかけた福田官房長官との閣内不統一をさらけ出すことになりますもんね。まっ、共産中国と国交を結んだのは彼女の父親ですもんね。もし彼女が大臣の間に、まぁ無理でしょうが、台湾と堂々と国交を結んだら、これは歴史に残りますね。アメリカなんか、完全に二重外交なわけで、いいんですよ、1つの中国、2つの地域ということで対応すれば。そう思います。

 目玉は竹中平蔵さんでしょうか。わたしが期待するのはこの人だけです。

 堺屋さん? まったく拍子抜けでしたね。この人、何だったんでしょうか。就任当初は、経企庁の職員に数字を操作させないことを厳命したことだけは評価できますが、そのあとは大臣というよりも「内閣報道官」に過ぎませんでした。もっと過激であって欲しかったな。

 そういう意味では、永田町内では過激な小泉さんに、過激な竹中さん、それに過激な田中真紀子さんに過激な石原さん。この人は親父さんのほうがもっと過激だけど。

 というわけで、今回の内閣は「コップの中の過激派内閣」とわたしはとらえています。

 でもね、どこの会社でも課長くらいまでは過激なことばかり言ってる人が、部長になったら急に大人しくなったり、目の前に役員ポストがチラチラし出すと、「ここは自重しないといけないな」と自主規制してしまうことが少なくありません。たしかに部長になっても相変わらず過激派を続けられるのは「バカ」か「おっちょこちょい」のどちらかだと思いますが、この時代、「バカ」か「おっちょこちょい」じゃないと変えることはできませんよ。

 肩すかしにならないことだけを祈ります。

 その他、石原軍団の伸晃さん、43歳の元自衛官の中谷元さん、それに女性を5人も任命したなど、派閥にとらわれなければこういう人事ができるんだ、ということがよくわかりました。まぁ、若い人、昔の人・・・・いろいろありますが、かなりバランスの取れた人事ではないでしょうか。



どうする、民主党?

 鳩山さんも管さんも困るでしょうね。

 だって、自民党のイメージのほうが良くなりそうだもん。「ねっ、変わったでしょ?」「うん、確かに変わったね」って。

 頭、抱えてるんじゃないでしょうか。「あのまま森さんにやってもらってたら、こんなことにはならなかったのに」って。

 この人たちだって、なんだかんだ言ったって、「やっぱり橋本さんが勝つだろう」と踏んでたんですよ。それがこんなことになっちゃって。

 でもね、民主党は捻れてますから、残念ながら自民党以上に変わることはできません。民主党というのは、旧社会党(右派から左派まで)、旧民社党、社民連など、自民党、公明党、共産党を除いた「その他大勢の寄り合い所帯」なわけですよ。組織率が依然、右肩下がりの労組をバックにしてるんですから、これは橋本派とは違った形で厳しいでしょうね。

 労組というのは組合員の自助努力をサポートする「保険」的な意味合いだったわけでしょ。それが不況のまっただ中、言ってみれば肝心要のときに、リストラ旋風に対してまったく無策の労組に、組合員は何を期待しますかね。わたしにはそこがまったく見えません。

 組織票が当てにできない。かといって、浮動票の受け皿もない。

 これでは政府がかなり大きな失態でもしてくれないと、参院選は自民党の勝ちですね。小泉さんと田中真紀子さん、それに石原軍団総動員で全国の選挙区を回れば、これは自民圧勝です。

 だけど、自民党が勝った後に、小泉さんが失脚して保守反動の典型みたいな人が総理になったら、日本はもう終わりですな。まぁ、アメリカも中国も北朝鮮も喜ぶかもしれませんが。



朝日新聞って面白いね


 さて、今回の組閣は全国的にかなり注目を浴びてましたから、これは視聴率もそこそこあったと思います。

 続々と官邸に詰めかける大臣候補者たち。小泉総理から指名された新大臣の記者会見。これは新任だろうが再任だろうが、ファースト・インタビューなわけですね。塩川財務大臣の「もう、ええやろ」という関西弁丸出しの挨拶もオモロカッタです。

 ところで、あなたも気づいたと思いますが、大臣1人1人にしつこいように、「靖国参拝についてですが・・・」という質問をする新聞社がありました。

 朝日新聞ですね。訊きましたか?

 これ、何なんでしょう。わたしがすぐに連想したのは、「踏み絵」です。こうやって、キリシタンも訊かれたんでしょうね。「キリスト参拝についてですが」って訊いたかどうかはわかりませんけど。

 いったい、これ訊いてどうするんでしょう。靖国参拝するなら右翼。しないなら左翼。「私人として」というカッコ付きの参拝なら中道とか、リトマス試験紙なんでしょうか。それとも、「この人は朝日が嫌い」「この人は朝日向き」というように値踏みをしてたんでしょうか。

 竹中さんにも訊いてましたけど、「わたしはついさっきまで経済学者で、これにどんな政治的意味があるかわかりませんが」と答えてました。そうでしょうね。まともに答えるより、「参拝してる暇なんか、ありませんよ。わたしの場合」って言って欲しかったな。

 参考までに、わたしは朝日新聞の読者です。週刊朝日、アエラも毎週、配達してもらってますよ。またまた参考までに産経新聞、日経新聞も読んでます。

 テレビ中継で国民注視のなかで質問すべきことだったんでしょうかね。こんなことは、あとで個別に訊けばよかったんじゃないでしょうか。それとも、靖国参拝についての比較を一覧表でも作って報道するためでしょうか。たぶん、そうでしょうね。でないと、あんなにしつこく訊かないもの。

 何度も言うけど、「やっぱり朝日は朝日なんだな」と再確認できました。朝日的体質の人は見ていてホッとしたと思うけど、わたしはもうそんな時代じゃないと思いますよ。自民党ですら、変わる時代です。新聞も前時代的なままだと、ドーンと落ち込みますよ。

 まぁ、朝日新聞でわたしが読んでるのは広告欄だけだから、どうでもいいけど。