2018年03月03日「ザ・グレイテスト・ショーマン」
カテゴリー中島孝志の不良映画日記」
成功中ってのは得意満面なんで周囲が見えなくなるのではなくて、実は自分が見えなくなるのよ。で、すべてを失うと今度は過度に自信喪失してなにもできない、と自己卑下に走るようになるのよね。
どちらも「実相」とは違います。
2人の坊さんが議論しとるわけ。
「風が動いてるんだ」
「いや、旗が動いてるんだ」
旗が風になびいてるんだけど、どちらも譲らないの。で、それを見た高僧がひと言。
「風動かず、旗動かず。人の心が動いているのみ」
これ、原原では何回もご紹介してる六祖慧能自身が経験した公案なんすよ。
慧能は五祖弘忍の奥義を引き継いだものの、身分はたんなる寺男。で、600人超の門下の承認はとても得られない。後継は自他ともに天才と認める神秀だ、と目されてましたからね(この男が興した北宋禅は則天武后=武則天に支援されますが滅びます)。
で、弘忍の奨めで山を下り修行の旅に出ます(これが臨済・曹洞へと広がる南宋禅です)。広東省のある法性寺で印宗和尚の涅槃経講座があると聞きつけて訪ねたときのことなんすね。
原文は「六祖、因みに刹幡(せっぱん)をあぐ。二僧有り、対論す。一は云わく、幡動く。一は云わく、風動くと。往復して曾て未だ理に契わず。祖云わく、是れ風の動くに非ず、是れ幡の動くに非ず、仁者の心動くのみと。二僧悚然(しょうねん)たり。」というお話なんすけどね。
「そりゃ風が吹くから旗がなびいてるんでしょ?」と識者は考えますわな。物理の法則ですもん。けど、そんな理屈は禅では通用しません。
唯識ですね。
あなたの限界はどこまで? 自分がダメだ、と考えた処までっすよ。限界をつくるのはだれでもない、あなたなんすから。
そして、あなたの成功はだれも邪魔なんぞしてません。いつも邪魔すんのはあなた自身なんすよ。
心こそ 心惑わす 心なれ 心に心 心許すな、ゆうてね。
騙すのは他人ではありません。あなたの心があなたを騙しとるんです。
なお、「心が動くのみ」と喝破した慧能は即、「いや、ちがう。風も旗も、そして心も動いちゃいない」と悟ります。「動く動かない」という相対ではなく、「動不動は一如である」という絶対の次元にいたるんですね。
ここが禅の面白いところ。あれかこれかという分別ほどつまらんものはないんです。
無い物ねだりをしたくなるのが人間らしくて好きなんだけど、無い物ねだりって「あるもの(残されているもの)」に気づかなかったり、それがものすごく価値があるのにわかろうともしなかったりね。
「意外とやるじゃん、おれ!」
何度も本の中で繰り返してるけど、この世でいちばん強い人は自分で自分を励まし続けられる人ですからね。他人を励ますなんて簡単簡単。だれでもできます。難しいのは自分を励ますことよ。最後まで自分を見捨てないこと。これはホントに難しいんだわ。
「成功を求めすぎたみたいだ」
若い頃に貧乏しすぎますと、とことん財とか地位を求めてしまいがちですね。「このくらいでいいかな」という歯止めがききません。欲張りなのよ。いくら持ってても不安なの。
「お金はいくらあっても邪魔にならないでしょ?」
「残念! 邪魔になりますよ」
育ちがいい人って自分の器がわかるのね。こんなに持ってちゃいけない。間違い起こす。ほどほどがいい、ってね。
「財」は目に見える価値です。実体があります。金貸しが喜ぶ担保にもなります。けど、目に見えない「信用」つう価値とは同じ次元にはありません。信用というのは目に見えない価値だからね。
スウェーデンのオペラ歌手ジェニー・リンドの興業打ち切り、サーカス放火事件の2つで破産した後、失意のどん底にいた時、P.T.バーナムは「興業道具」としか考えていなかった「タレント」たちから「予期せぬ提案」を受けます。
「もうサーカスはないんだ。給料は払えない。無一文だからね」
「そんなことはわかってる。俺たちはサーカスを無くしたがファミリーを無くしたわけじゃない。本当の家族にも厄介者扱いされ、居場所の無かった俺たちにホームをつくってくれたのはあんただ」
「金遣いの荒いご主人様のためにパートナーのオレが毎週貯金してきた。これでもう一度チャレンジしよう」
「サーカスは焼けてないんだ・・・そうか、場所は波止場でいい。テントがあればできる」
ここからいまに繋がるテント興業のスタイルが生まれるわけ。
世紀のプロモーター。世界一のショーマン。
バーナム独自に編み出した「ビジネス成功の10箇条」があんだよね。以下の通りっす。
1性格(キャラ)に合ったビジネスを選ぶ。
2約束は必ず守る。
3どんなことでも懸命にやる。いまできることを先延ばししない。
4深酒しない。
5理想に走り過ぎない。
6エネルギーを無駄に分散しない。時間と能力を集中せよ。
7優秀なスタッフを雇う。適材適所。誠実でないものはクビ。
8常にPRする。黙っていては誰も気づかない。
9浪費しない。収入の範囲内で生活する。蓄財が大切。
10他人に頼らない。自分の成功は自分でしか築けない。
まるで松下幸之助さんじゃん。今日、新潟でとことん講義しますから期待してね。
どちらも「実相」とは違います。
2人の坊さんが議論しとるわけ。
「風が動いてるんだ」
「いや、旗が動いてるんだ」
旗が風になびいてるんだけど、どちらも譲らないの。で、それを見た高僧がひと言。
「風動かず、旗動かず。人の心が動いているのみ」
これ、原原では何回もご紹介してる六祖慧能自身が経験した公案なんすよ。
慧能は五祖弘忍の奥義を引き継いだものの、身分はたんなる寺男。で、600人超の門下の承認はとても得られない。後継は自他ともに天才と認める神秀だ、と目されてましたからね(この男が興した北宋禅は則天武后=武則天に支援されますが滅びます)。
で、弘忍の奨めで山を下り修行の旅に出ます(これが臨済・曹洞へと広がる南宋禅です)。広東省のある法性寺で印宗和尚の涅槃経講座があると聞きつけて訪ねたときのことなんすね。
原文は「六祖、因みに刹幡(せっぱん)をあぐ。二僧有り、対論す。一は云わく、幡動く。一は云わく、風動くと。往復して曾て未だ理に契わず。祖云わく、是れ風の動くに非ず、是れ幡の動くに非ず、仁者の心動くのみと。二僧悚然(しょうねん)たり。」というお話なんすけどね。
「そりゃ風が吹くから旗がなびいてるんでしょ?」と識者は考えますわな。物理の法則ですもん。けど、そんな理屈は禅では通用しません。
唯識ですね。
あなたの限界はどこまで? 自分がダメだ、と考えた処までっすよ。限界をつくるのはだれでもない、あなたなんすから。
そして、あなたの成功はだれも邪魔なんぞしてません。いつも邪魔すんのはあなた自身なんすよ。
心こそ 心惑わす 心なれ 心に心 心許すな、ゆうてね。
騙すのは他人ではありません。あなたの心があなたを騙しとるんです。
なお、「心が動くのみ」と喝破した慧能は即、「いや、ちがう。風も旗も、そして心も動いちゃいない」と悟ります。「動く動かない」という相対ではなく、「動不動は一如である」という絶対の次元にいたるんですね。
ここが禅の面白いところ。あれかこれかという分別ほどつまらんものはないんです。
無い物ねだりをしたくなるのが人間らしくて好きなんだけど、無い物ねだりって「あるもの(残されているもの)」に気づかなかったり、それがものすごく価値があるのにわかろうともしなかったりね。
「意外とやるじゃん、おれ!」
何度も本の中で繰り返してるけど、この世でいちばん強い人は自分で自分を励まし続けられる人ですからね。他人を励ますなんて簡単簡単。だれでもできます。難しいのは自分を励ますことよ。最後まで自分を見捨てないこと。これはホントに難しいんだわ。
「成功を求めすぎたみたいだ」
若い頃に貧乏しすぎますと、とことん財とか地位を求めてしまいがちですね。「このくらいでいいかな」という歯止めがききません。欲張りなのよ。いくら持ってても不安なの。
「お金はいくらあっても邪魔にならないでしょ?」
「残念! 邪魔になりますよ」
育ちがいい人って自分の器がわかるのね。こんなに持ってちゃいけない。間違い起こす。ほどほどがいい、ってね。
「財」は目に見える価値です。実体があります。金貸しが喜ぶ担保にもなります。けど、目に見えない「信用」つう価値とは同じ次元にはありません。信用というのは目に見えない価値だからね。
スウェーデンのオペラ歌手ジェニー・リンドの興業打ち切り、サーカス放火事件の2つで破産した後、失意のどん底にいた時、P.T.バーナムは「興業道具」としか考えていなかった「タレント」たちから「予期せぬ提案」を受けます。
「もうサーカスはないんだ。給料は払えない。無一文だからね」
「そんなことはわかってる。俺たちはサーカスを無くしたがファミリーを無くしたわけじゃない。本当の家族にも厄介者扱いされ、居場所の無かった俺たちにホームをつくってくれたのはあんただ」
「金遣いの荒いご主人様のためにパートナーのオレが毎週貯金してきた。これでもう一度チャレンジしよう」
「サーカスは焼けてないんだ・・・そうか、場所は波止場でいい。テントがあればできる」
ここからいまに繋がるテント興業のスタイルが生まれるわけ。
世紀のプロモーター。世界一のショーマン。
バーナム独自に編み出した「ビジネス成功の10箇条」があんだよね。以下の通りっす。
1性格(キャラ)に合ったビジネスを選ぶ。
2約束は必ず守る。
3どんなことでも懸命にやる。いまできることを先延ばししない。
4深酒しない。
5理想に走り過ぎない。
6エネルギーを無駄に分散しない。時間と能力を集中せよ。
7優秀なスタッフを雇う。適材適所。誠実でないものはクビ。
8常にPRする。黙っていては誰も気づかない。
9浪費しない。収入の範囲内で生活する。蓄財が大切。
10他人に頼らない。自分の成功は自分でしか築けない。
まるで松下幸之助さんじゃん。今日、新潟でとことん講義しますから期待してね。