2000年11月30日これって、おかしいんじゃない?

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世にも不思議な変な答申


 ここしばらくの茶番劇のおかげで、新聞の一面に載った記事が吹っ飛んでしまった。

 その記事とは、11月18日付け朝日のトップニュース「首都高速・阪神高速 均一料金見直し」というものだ。

 「渋滞時は高く、近距離は安く」とある。どうも、この案は建設省の道路審議会の答申らしい。審議会というのは言わずとしれた御用学者や御用評論家の集まりである。だから、これは建設省の方向性を呈している内容だと考えたほうがいいだろう。

 料金所をノンストップで通過できる児童料金収受システムが5年後をめどに整備される。このとき、同時に渋滞時間帯は料金を割高にして交通量を抑え、閑散時間帯は逆に割安にする時間別料金、いわゆる「ピークロードプライシング」にしては、というのだ。

 ハイウェイというのは、スピードが出せるのではなく信号がないなど、ノンストップで通行できる道路のことだから、途中で何の意味もない関所を設けてお金を取り立てることなどナンセンスである。とくにこの財源が特殊法人勤務の天下り役人たちの高給、それに狸しか走らないド田舎の道路整備に消費されるのだからたまらない。

時間を買ってるんだ!


 でも、でもだ。このシステムって、逆じゃないの?

 どうして、渋滞時は割高にして、閑散時に割安にするのよ。道路って、そんなものじゃないでしょ。

 圧倒的多数のドライバーは一秒でも早く、できれば燃費良く、スムーズに目的地に着きたい。これが本音だと思う。つまり、「時間」を買ってるわけだ。

 渋滞すると時間がかかってしょうがない。「せっかく、高速道路使ったのに、これじゃ何にもならないよ」ということがたくさんある。こういうときは慰謝料として、料金を返却しろ。だって、高速に乗れば早く着く、という契約を果たせないんだもの。事故なんかあったら、もう高速どころか「拘束道路」だよ。動けないんだから。こうなると道路は渋滞どころの話じゃない。

 でも、答申によれば「そういうときは割高にします」って言うんだから、時間はかかるし、そのうえ、料金もかかるよって、これ、おかしくない?

 やっぱり、審議会の人って頭が古いというか、年齢も古いんだと思う。

 「ゆっくり行こうよ」というのは爺さん、婆さんの性格だもの。若者やビジネスマンは「時間が早くなるなら、割り増し料金払うよ」というタイプだものね。

 もっと心理学を勉強してもらいたいな。国民の気持ちを汲んで欲しいな。数字やデータだけで決めるって、人間が優しくないんだよね、きっと。