2000年11月20日勝負の時!

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元祖と本家の争いになるか?


 加藤紘一、山崎拓の両代議士はもとより、その一族郎党が自民党から脱藩するらしい。「離党勧告には応じません」と言ってはいるものの、覆水盆に返らずで結局出るしかないのだろう。

 そうなると、名門宏池会の跡目は自民党に残った政治家たちが継ぐことになる。跡目だなどとまったくやくざの襲名披露のような話だが、「血判状を回せ」などと言ってる方々だから、どちらかというと、この世界の人たちに近いのかもしれない。

 そんなことはどうでもいいが、名門だけに、「こちらが宏池会だ」「いやこっちだ」と応酬が繰り返され、挙げ句の果ては「うちこそ、元祖宏池会」「それなら、こちらは本家宏池会だ」と、まるでたこ焼き屋かラーメン屋みたいな争いになったりして。

 ところで本稿を書いているのは20日朝6時である。不信任決議採決の結果が判明するのは早くても夜中10時を過ぎるらしい。どうなることやら。

 あの慎重居士の加藤さんがこんな行動に出るのだから、勝率は高いのかも知れない。管さんは「今月末まで森首相が椅子に座っていたら坊主になる」と言っていたらしいから、二人していろんなことを話し合っていたのだろう。


小泉か河野か?


 でも、でもだ。支持率急降下によって、国民がメッセージを投げかけているのは二点だと思う。

 一つはあまりにもアホな総理は恥ずかしくて外国に出せない、ということ。つまり、国益を損なうだけではなく、日本人が馬鹿だと思われたくないという恥の文化が頭をもたげたこと。もう一つは、これだけ借金漬けの国と地方の財政にもかかわらず、相も変わらず箱ものと道路、田舎の新幹線などの公共事業に無駄金を遣う「自民党的体質」についてだ。

 加藤さん、山崎さんのグループは小渕内閣以降、冷や飯を食ってきたとはいえ、この自民党的体質から脱却できているとは言えない。自民党を脱藩しても、脱却はできていないのではないか。国民の多くはそう思っているはずだ。

 もし、郵政民営化路線を掲げる暴れん坊将軍小泉純一郎さんを表看板にするところまで、自民党首脳部が折れた場合、加藤、山崎の決起など、すぐに国民もマスコミも忘れ去ってしまうだろう。参院選にしても、だらしない野党で勝てるとは思えない。小泉株の一点買いで自民党に投票する有権者は少なくないはずだ。

 そこまで冒険せずに河野洋平外務大臣を看板にするようなら、自民党の負け。可及的速やかに自民党はフェイドアウトすることになろう。

 それにしても、自民党の指南役でもある大御所に聞くと、森さんに対する党内の嫉妬はたいへんなものだという。「あのレベルの男に総理の椅子が転がり込んだ」ということで、足の引っ張り合いはものすごいらしい。今回の事件はそもそもボタンの掛け違いのせいだろう。

 けど、まさか森さんが引き続き総理なんてことはないだろうね?