2000年11月10日官僚以上に官僚タイプの政治家

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体温が違う


 アメリカの大統領選挙が熱い。

 そもそも選挙は熱いものだが、それにしてもここまで得票数が拮抗すると、「違う人の名前を書いた」だの、「投票し忘れた」だのいろんなイチャモンが出てくるだろう。

 まぁ、結局はブッシュさんが当選するんだろうけど、選挙人の獲得人数はゴアさんより多いんだろうが、全州のトータルでの得票数では負けている。このねじれの関係は選挙制度の隙間を突く形でまたまた議論が噴出することと思う。

 日本の参議院選挙制度の変更とは偉い違いだ。

 それにしても、わが国ではえらく軽い、口も軽いが存在も軽い総理に対して、やっと身内から「オレがやる」という人間が現れた。この人は森さんと違って議論がうまい。理詰めで回答する。知識も豊富だ。まったくタイプの違う政治家である。

 けれども、人間味がまったくない。「国民のために」とは言うものの、国民と同じ体温だとは思えない。官僚臭さが抜けてないのだ。官僚でももうちょっと人間臭いと思う。

 以前、「通勤快読」で書いたが、危機管理で有名な佐々淳行さんがいちばん嫌いな政治家がこの人だ。名前を明示してないけれども、一連の著書のなかで「戦後八番目の防衛庁長官は最悪だった。この人と対立して防衛庁を去ることにした」という旨の発言をしている。

 この人しかいないではないか。



ハマコー先生怒る


 曰く、「依怙贔屓が激しい」「部下に詰め腹を切らせて何とも思わない」「責任を取らないで逃げる」。見ての通りの政治家なのである。

 さすがに功ある自衛隊幹部を免職させたときには、昼食会という形で歴代の防衛庁長官が集まって意見を言ったらしいが、それも無駄。あのハマコー先生(寿司屋でよく会う)は「あんたの顔なんか見たくないが、金丸先生の代理ということでやって来た。あんたのご馳走にはならないよ。これで足りるだろう」と一万円札を三枚投げつけて帰っていったという。

 官僚以上に官僚の政治家である。だから、けっして言質を取られない。それはテレビで見てもわかる。のらりくらりと本音を言わない。つまりは煮え切らない男なのである。

 政治家はどんな性格でもいい。日本中から嫌われる人であってもいい。けれども、国民に対してのらりくらりとごまかして逃げてしまうのでは困る。どうも、そんなタイプの人に見えてしまう。こう考えるのは、わたしだけだろうか。