2005年01月31日「あたりまえだけど、とても大切なこと」「野ブタ。をプロデュース」「俺はその夜多くのことを学んだ」
１ 「あたりまえだけど、とても大切なこと」
ロン・クラーク著 草思社 １４７０円
ホント、当たり前のことばかり。
けど、「できてる？」と聞かれると、「？」。
これ、著者が子どもたちの教育のために、クラスで徹底した「ルールブック」をまとめた本です。
たとえば、「大人の質問に答える時は、はい、そうです、とか、いいえ、ちがいますというように、いつもきちんとした言葉遣いで答えよう。ただ、うなずくだけではだめだし、乱暴な答え方もいけない」ってね。
「ランチルームでは人の分まで座席を確保してはいけない。もしだれかが隣に座りたがったら、座らせてあげよう。相手がだれであっても、仲間はずれにしないこと。わたしたちはひとつの家族だ。お互いに尊敬の気持ちと優しさをもちあおう」とかね。
わかってるようでわかっていない。わかってると思いこんでるだけで、明確には意識していない。
それが子ども。
だから、明確に何度も話す。伝える。教える。そして、導く。なにを教えるか。そのために整理したルール集がこれです。
もちろん、常識ある大人は読む必要はありません。けど、「できてる？」と聞かれると、やっぱり「？」がついちゃうね。
１５０円高。
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２ 「野ブタ。をプロデュース」
白岩玄著 河出書房新社 １０５０円
野ブタ。
「。」がついてるのは、「モー娘。」と同じ意味。つんくがモー娘。をプロデュースしたように、野ブタ。をプロデュースしてるって意味。
野ブタ。というのは転校生。「信太」が正しいんだけど、そのデブっとした姿を見た時、「のぶた？ 野ブタ？」ってなわけで、信太とはイメージできなかったのね。
この信太じゃなくて、「野ブタ。」君。
デブだし、フケの塊だし、汗くさいし、転校初日にクラスで紹介されてもまったく反応無し。女子から相手にされないのはわかるけど、男子からも完璧に無反応。一週間まるまるシカトされる始末。
ようやく話しかけられたと思ったら、これが喝アゲされてる時。
野ブタ。をプロデュースしようと思ったのは、修二。
クラスの人気者。マリコというカワイコちゃんともつき合ってる。好きでもないんだけどね。いわゆる、ブランドとしてつき合ってるわけ。
「弟子にしてください」なんて野ブタ。君から頼まれちゃってさ。
「野ブタが子分か？ 飼い主だろ？」・・・けど、これ、案外面白いかもしれない。退屈な授業よりもよっぽどいい暇つぶし。
よしよし、やってやろうじゃないか。
「オレがお前を人気者にしてやる！」
「そんなことできるんすか？ オレ、こんなですよ」
「だいたい、プロデュースなんてものは何でもないヤツを光ってるように見せる仕事なんだから」
たしかにそうですね。
勝手に光るヤツなら、プロデュースなんてする必要ないもの。素質なんていらないの。これ、プロデューサー歴２０年のわたしも同感、同感！
「ただし、基本ルールがある」
それを「野ブタ。」君に朗読させた。
「一つ！ プロデュースのことは一切口外禁止！」
「一つ！ プロデューサーがやれと言ったことは原則として拒否不可！」
「一つ！ 勝手な判断で動かない！」
「一つ！ 契約を切る時は人気者になれたとき！ リタイアは不可！」
このプロデュース、修二のシナリオ通りに進んでいきます。仕掛けは上々、仕上げは・・・。
クラスの一部でからかわれるところからスタートして、クラスの人気者に。なにをとち狂ったか、「つき合ってください」なんて女子まで出てきたりして。
「野ブタ。けっこうやるじゃん！」
けど、とんだハプニング。アクシデントとハプニングって、いつもシナリオを超えたところで起こるものね。
で、災いはプロデューサーの身に降りかかってきちゃう。
どんな災いか？
それはね、こういうことなの・・・。まっ、続きは本を読んでね。これ以上書いちゃうと、営業妨害になっちゃうもん。
２５０円高。
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３ 「俺はその夜多くのことを学んだ」
三谷幸喜著 幻冬舎 ４８０円
電話したい、電話したい、電話したい・・・。
どうしよっかな？
さっきデートしたばかりじゃん？
けど、話したいし・・・。
どんな話題を振れば自然？
あれこれあれこれ、かれこれかれこれ・・・。
初デートの後、カノジョのことが気になって、煩悶の連続。
電話したい、電話したい、電話したい。
これが夜中、続きます。
で、ようやく決心して電話をするところまで来た。
ところが・・・なんと話し中。
話し中？
なんで？
？？？？
疑心暗鬼。
さぁ、不幸の始まりというか、悟りへの入口というか。
もしかすると、オレのところに電話してたのかもしれない。
違うね。
とすると、好きな男？
だれだ？ だれだ？ だれだ？
あいつか？
電話したい、電話したい、電話したい・・・。
で、彼のところに電話。
話し中！
カノジョに電話、話し中。
彼に電話、話し中。
疑心暗鬼が大きく膨らんでいきます。
で、夜中じゅうに学びます。
なにを？
恋愛に関する７つの真理を。
それはね・・・これも書いちゃうと営業妨害になるんで、本を読んで！
１５０円高。
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