2000年09月10日図体のでかい国と図体のでかい会社
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大国の可能性
ロシア北方艦隊の最新鋭原子力潜水艦クルスク号が乗員118名を乗せたまま、パレンツ海に沈んだ。
プーチンの対応が乗組員の家族をはじめ、民衆との間に温度差があったために非難囂々である。彼にしてみれば、素人の自分が出ていってもなんのアドバイスもできないし、足手まといになるだけだという思いだったんだろうが、一国のリーダーとしてのパフォーマンスとしては甚だ冷たかった。その点はさすがに元KGBである。
プーチンというのはエリツィンの「忠実な」後継者である。それ以外の何ものでもない。
日本では柔道の大家だとか、日本に代わって北朝鮮問題を処理できるパートナーだとか、評判がいいが、柔道は護身のためだし、北朝鮮へのアプローチはロシアのためであって、日本のためでも、アメリカのためでも、いわんや北朝鮮や中国のためなどではさらさらない。
図体ばかりでかいために綻びばかりが目立つ大国ロシアをどうするか。本音の部分では、北方領土もお金に両替できることならしたいはずだが、その可能性を金丸信がリークしたところ、日本国民の反発を買って頓挫している。原潜墓場も山ほどあるらしいし、第二、第三のチェルノブイリが起こらないともいえないお国柄だから、この国は二十一世紀も相変わらず世界の話題の的になりそうだ。
大会社の可能性
ところで、あのダイエーが「88円ショップ」をスタートさせるという。さすがである。おそらく集客効果を狙ってのことだろう。近所の横浜松坂屋は一階がユニクロになったが、いつも一階だけは混んでいる。
しかし、100円ショップ以上の品揃えをする覚悟があるのだろうか。ライバルのイトーヨーカ堂は価格での勝負はしない、と常々言ってきた。わたしもそうだと思う。ユニクロが売れたのは価格だけではない。店のコンセプトが受け容れられたのだと思う。
100円ショップ大創産業の矢野丈博さんは、自社を「30分500円のエンタテイメントセンター」と位置づけている。30分でいろいろ眺めて愉しんで500円だけ遣ってください、という店作りをしているわけだ。だから、ここには鋏だけで85種類、ファイルは450種類もある。これだけあると、単なる文具屋ではなくなる。子どもが駄菓子屋で面白いお菓子やおもちゃを探すのと同じように、「なにか愉しいもの、面白いものを探そう」という「心の冒険」みたいな感じになる。
さてさて、あのダイエーにそんな価値を提案することができるだろうか。
リクルートを売り、ローソンを売り、88円ショップを仕掛け、それでこけたらもう後はない。かといって、そごうのようなわけにはいかない。もう外資しかない。
健闘を祈る!