2000年07月20日土壇場に追い込まれても動けない人々
カテゴリー価値ある情報」
とうとう潰れ始めた
とうとう、そごうが潰れた。
そごうの借金たるや一兆八千億円。そごう各店22社すべてが債務超過。それでいて、オーナーともいうべき水島廣雄氏が私財提供したのは紙屑と化した株券。トータルで十万円ほどだという。個人的に言うと、横浜そごうの大ファンで、毎週一回は顔を出していた。本屋もあるし、とくに桃林という中華料理店は大好きなのだ。かなり利用している方だと思うが、債権放棄のニュースを聞いてから、カードも返却して、これからは横浜高島屋にチェンジしようと手配していたところだった。
そして、一昨日、今度は西洋環境開発が特別清算、つまり倒産した。これはオーナーの堤清二氏が100億円の私財提供とか。西武百貨店はじめ、セゾングループの全株を放出。なお12億円の手切れ金まで出すとか。水島氏とは雲泥の差だ。きっと銀行に対する意識の差がこれだけのギャップを生んだんだろう。
ところで、驚くのはどちらの会社もバブル崩壊後、一〜二年で死に体であることは周知の事実だったはず。それでも、十年という歳月をかけなければ表面化しないのだ。自民党が党の存続に対する危機感(つまり、国民の怨嗟の声が政府、自民党に飛び火して参院選でボロ負けすること)がなければ、まだ伏魔殿のようにして生き長らえていたことだろう。「そのうち、神風が吹くさ」とオーナーさんたちは考えていたのだろうが、いくら献金したところで選挙で落とされたら政治家は終わり。だから、国民の声を優先せざるを得ないのである。
結局、これらの会社にとって、この10年間は真空地帯ならぬ真空時間だったのだと思う。
歴史に「もし」は禁物だが、取引先にしても、デパートはどこもかしこも厳しいから、曲がりなりにも商品を買ってくれるそごうはありがたかっただろう。「潰れないでくれよ」と祈りながら、十年一日の如く死に体の会社相手に商売を続けていたのだと思う。
「危ないかな」と直観したら保険をかけておくことが大切だ。保険とは、必死になって売り先を変えることや新しい売り方を研究して実験してみることを言う。たとえばの話、、「デパートはやめた、インターネットに比重を移す」といったチャレンジ精神の旺盛な企業だけが生き残っていくのだと思う。
「構造不況業種」というのは、みんながみんな神風を待ち望んで縮こまっている業界のことである。取扱商品をがらりと変えてみる。徐々にシフトしていく。いつまでもしがらみに縋り付いていると失敗する。タイタニックの沈没とつき合っていてはダメなのだろう。
くれぐれも言うが、「危ないかな」と直観した時に動くのがポイントである。人間には学習効果があるから、「危ないかな」というあとに「今回は何とか大丈夫だった」と理解してしまうと、もう変革の動きは出てこないのだ。そして、自分の都合のいいほうに回路が動いてじり貧になり、ある日、突然、ドカ貧を迎えるのである。人間とはそういう動物なのである。
とうとう、そごうが潰れた。
そごうの借金たるや一兆八千億円。そごう各店22社すべてが債務超過。それでいて、オーナーともいうべき水島廣雄氏が私財提供したのは紙屑と化した株券。トータルで十万円ほどだという。個人的に言うと、横浜そごうの大ファンで、毎週一回は顔を出していた。本屋もあるし、とくに桃林という中華料理店は大好きなのだ。かなり利用している方だと思うが、債権放棄のニュースを聞いてから、カードも返却して、これからは横浜高島屋にチェンジしようと手配していたところだった。
そして、一昨日、今度は西洋環境開発が特別清算、つまり倒産した。これはオーナーの堤清二氏が100億円の私財提供とか。西武百貨店はじめ、セゾングループの全株を放出。なお12億円の手切れ金まで出すとか。水島氏とは雲泥の差だ。きっと銀行に対する意識の差がこれだけのギャップを生んだんだろう。
ところで、驚くのはどちらの会社もバブル崩壊後、一〜二年で死に体であることは周知の事実だったはず。それでも、十年という歳月をかけなければ表面化しないのだ。自民党が党の存続に対する危機感(つまり、国民の怨嗟の声が政府、自民党に飛び火して参院選でボロ負けすること)がなければ、まだ伏魔殿のようにして生き長らえていたことだろう。「そのうち、神風が吹くさ」とオーナーさんたちは考えていたのだろうが、いくら献金したところで選挙で落とされたら政治家は終わり。だから、国民の声を優先せざるを得ないのである。
結局、これらの会社にとって、この10年間は真空地帯ならぬ真空時間だったのだと思う。
歴史に「もし」は禁物だが、取引先にしても、デパートはどこもかしこも厳しいから、曲がりなりにも商品を買ってくれるそごうはありがたかっただろう。「潰れないでくれよ」と祈りながら、十年一日の如く死に体の会社相手に商売を続けていたのだと思う。
「危ないかな」と直観したら保険をかけておくことが大切だ。保険とは、必死になって売り先を変えることや新しい売り方を研究して実験してみることを言う。たとえばの話、、「デパートはやめた、インターネットに比重を移す」といったチャレンジ精神の旺盛な企業だけが生き残っていくのだと思う。
「構造不況業種」というのは、みんながみんな神風を待ち望んで縮こまっている業界のことである。取扱商品をがらりと変えてみる。徐々にシフトしていく。いつまでもしがらみに縋り付いていると失敗する。タイタニックの沈没とつき合っていてはダメなのだろう。
くれぐれも言うが、「危ないかな」と直観した時に動くのがポイントである。人間には学習効果があるから、「危ないかな」というあとに「今回は何とか大丈夫だった」と理解してしまうと、もう変革の動きは出てこないのだ。そして、自分の都合のいいほうに回路が動いてじり貧になり、ある日、突然、ドカ貧を迎えるのである。人間とはそういう動物なのである。