2005年10月02日「淋しいのはお前だけじゃない」

カテゴリー中島孝志のテレビっ子バンザイ!」

「淋しいのはお前だけじゃない」 TBS映像部 23100円 

 大衆演劇にはまったきっかけは、やっぱり落語かな。テレビで「タイガー&ドラゴン」ってやってたでしょ。これ、DVDを購入して5回くらい見てたのね。
 「この出だし、どっかで見たなぁ。あれはたしか・・・」
 ドラマの冒頭で必ず落語の冒頭部分が演じられるわけ。もちろん、舞台は江戸時代ですよ。登場人物が全員、現代から江戸にワープして、それぞれ噺通りに演じられるわけよ。
 「そうだ! これあのドラマだよ、あれあれ」
 そう、「淋しいのはお前だけじゃない」というTBSドラマの作り方、もっといえば、脚本家の市川森一さんのシナリオをそっくり真似てるんです。
 よし、「淋しい・・・」も買っちゃおう。見たら、はまってしまいました。仕事しながらずっと見てます。

 これ、内容が大衆演劇なのよ。暴力金融の取り立て屋をしてる主人公(西田敏行)が、旅芝居一座の女形と座長を追いかけるんだけど、同情して失敗するのね。で、2000万円の連帯保証人になっちゃう。それを返すために一芝居打ったのが一座の結成。座員はというと、これがみな、取り立て時代のブラックリストに載ってた、人生を捨てた人間たち。
 「国定忠治」「瞼の母」とか、旅芝居では定番の出し物が毎回、冒頭に登場するわけ。つまり、ドラマの中でまた芝居が演じられるという二重構造になってるわけさ。
 
 全話いいけど、とりわけ、ジーンに来たのが7話、8話かな。
 最初のは、萬田久子に熱を上げるお大尽の老人が1人。毎日、下手な踊り(BGMは「お吉物語」)を披露するたびに10万円ものおひねりを投げてくれる。これだけの金持ちが贔屓になると、借金漬けの一座だから万々歳てなわけ。
 「飲みに行きましょう」と誘うんだけど、「ここにあるものを大切にしたい」と胸を指して断るわけ。で、そのうち、こなくなる。
 新聞を見ると、そのお大尽は・・・。
 もう1つは「切られ与三」の回。劇場にやくさが押しかけてくる。そのやくざというのが、実は西田さんの奥さん(泉ピン子)の最初の男(柴俊夫)。桑名にいた時、彼女を救うために頬に刃物で傷つけられた(ほら、切られ与三でしょ)。この男、やくざはやくざでもしのぎが苦しい貧乏ヤクザ。で、西田さんからヤバイ仕事を紹介されるわけ。
 その代金を金に困ってる彼女にあげようと思って、劇場に無立ち寄るんだけど・・・という話。
このシリーズ、泉ピン子が押さえた演技をしててものすごくいい女に見えるんだよね。この頃はいい顔してました。

 「大衆演劇っていいなぁ・・・」
 よし、見に行くぞ。てなわけで、浅草、横浜、川崎・・・と見まくってるわけです。主題歌もいいよ。