2005年12月01日「私はこうして発想する」 大前研一著 文藝春秋 1500円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 そういうわけで、私が藤岡弘です、いやいや、館ひろしです。
 
 さて、ご存じ、大前研一さんの新刊ですね。
 ライブドアがニッポン放送の買収に乗り出してましたけど、「こんなものはグリーンメイラーだ」と早くから見抜いていたみたいですね。
 理由は、論理的に考えれば一目瞭然。
 ライブドアはポータルサイトです。
 このポータルサイトの最大のメリットは、フリーだということ。系列にならず独立しているからこそできるということ。
 つまり「全方位外交」ができるからこそ成立するビジネスなんですね。
 シネコンの流行。あるいはビックカメラやヨドバシカメラのように、全メーカーの製品を扱う専門量販店がお客さんに支持されていることと同じ構図なんです。
 ネットのユーザーは選択を好みます。情報を収集し、比較検討し、そしてベストの選択する。それが賢いユーザーの証明です。
 てなわけで、ライブドアはフジテレビに株式を買い取らせ、結局、400億円の儲け。
 楽天も似たようなものだ、とのこと。いずれ、落ち着くべきところに落ち着くと読んでます。

 文部科学省の発表では、2007年に大学全入時代。2004年には国立大学行政法人化となりました。
 「少子化=大学危機」って先入観に過ぎない。
 大学院入学者数はいま、76000人。その79%は24歳以下(平成16年度)です。
 大学の研究がそのの修士、博士につながる理系の場合は普通ですが、ビジネススクールでは、外国、とくにアメリカでは考えられませんね。
 なぜなら、現場でビジネスをしてみて、「あっ、ここが足りない」「ここが弱い」「ここをもっと伸していこう」とテーマを明確にして門を叩くのが大学院だもんね。
 ということは、いまの日本の大学院は本来の使命というか、目的を果たしてないわけよ。
 そういう意味で、大学院ビジネスが今後、大きく様変わりしていくのでは・・・大前さんはその受け皿として自前で大学院を作っちゃったわけ。
 さすが。150円高。