2004年11月01日「ケンカ哲学」「ほめ言葉大事典」「ツイてる!」
1 「ケンカ哲学」
糸山英太郎著 河出書房新社 1680円
資産5390億円。世界85位だそうですよ。日本では第4位だとか。
元、政界の暴れん坊将軍。
やんちゃ時代のケンカから、「妾の子」として生まれて、父親との確執、事業家として、男としてのケンカ、とくに、めちゃくちゃ経営を恥じない日本航空(旧)経営陣や日本製鋼所、株の仕手筋で有名な近藤紡、読売新聞グループとのガチンコのケンカの数々、女優、アナウンサー、デザイナーといった数々の女性との出会いなど、よくまぁ、ここまでさらけ出しました。
ホントは隠しておきたいことばかり。でも、この本、呆れるほど、赤裸々に語られています。
ある意味、拍手をおくりたい一冊です。
で、タイトルにもある「ケンカ」をする目的って?
それは相手との絶縁ではありません。ケンカはあくまでも手段。
言うことを聞かない相手に言うことを聞かせたい、意のままにならない相手を意のままに動かしたい。つまり、裏返して言えば、どんなに凄惨なケンカであれ、ケンカはすべからく、相手と解り合いたい、結びつきたいがためのコミュニケーションなんですね。
ケンカというのは、摩擦、衝突でもありますね。
たとえば、本当にやりたいことがあるとします。したいことをとようとすれば、必ず、周囲と摩擦を起こします。
だれかと、なにかと、衝突するんです。
自分にやりたいことがたくさんあればあるほど、ケンカは増える。やりたいことがなければ、ケンカは起こりません。
しかし、痛快まるかじり、波瀾万丈というのは、この人のためにある言葉かもね。
株の仕手戦の話は、手に汗握るケンカでした。まだ20代の時でしょ。
相手の名前を聞けば、ビビりますよ。手じまいたくなる。しかし、そうすると、負けが確定して、クビをくくるしかなくなる。
で、莫大な借金をし、周囲の人間を説得して、資金をこしらえて、勝負にでます。もちろん、戦略を練ってね。
本業はしっかり働き、自分のプライドとメンツを賭けてケンカしてるんです。
で、勝ち抜いてきた。
日本航空とのケンカにしても、当時、つき合っていたガールフレンドが労組の幹部だったとか。
「どうして、筆頭株主のオレのところに社長が挨拶に来ないんだ?」
「うちの会社は育ちの良くてお高くとまってるから、先生みたいな人が何を言っても相手にしないんです・・・」
この言葉にカチンときた。
ようし、わかった、やってやろうじゃないか。社長がオレのところに挨拶に来るようにしてやろうじゃないか!
この人のケンカはすべて、こういうプライドやメンツにこだわって、売られたケンカを買うことばかり。
でも、それが人を成長させた。
大義名分だけはきっちりさせ、相手が謝罪したら矛を収めるというスタイルは同じ。
ただ、日本航空株で儲けるなら、外資系に高値でうっぱらえばいいんですからね。
けど、ナショナルフラッグはやはり、日本企業、日本人が筆頭株主でなければダメだ、と筋を通してます。
筋を通すって難しいですよ。わたしなんて、筋違いのことばかりしてるもの。で、叱られてばっかり。
バカなんですね。バカは死んでも治らない。
この人がこれからやりたいこと。それは国際的な貢献、とくに教育ですね。
それと個人的に憧れていること。それは伝説的なマフィアのボスの真似。どういうことかと言えば、
このボス、人生でなんにんもの恋人とつき合ったそうです。そして晩年、彼は重病に罹ります。医師からは余命の宣告も受けた。
で、彼がやったことは?
世界各地に散らばっている元恋人たちを一人一人訪ね歩き・・・そして、ひと言。
「ありがとう。わたしの人生は君がいてくれたおかげで楽しかったよ」
男って悲しいね、ロマンチストというか、ある種、未練の塊かもね。オンナはもっと現実的で未来に生きてるから、こんなこと言われても、
「あんた、だれだったっけ? ずいぶん老けたからわかんなかったわ」
そんなオンナとつき合うな、だって? けど、これ現実だと思うよ。
250円高。
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2 「ほめ言葉大事典」
清水義範著 白泉社 1575円
人を誉めるって、実は簡単なことではありませんね。
誉める側にも、これはプラスのエネルギーが必要ですもの。ほめるより貶す方がずっと楽。
だから、人は疲れてくると、人のいい面、誉めるべき点に気づかなくなります。つまり、心に余裕がなくなってしまう。
で、ついつい悪口を言ったりね。
でも、プラスのエネルギーをもつ誉め言葉は、誉められた人の栄養になります。誉めた瞬間、「キラッ」と輝きます。そして、必ずいいほうへと動き出します。
てなわけば、本書は古今東西、この誉めた、誉められたというコンビを取り上げた一冊。
へぇ、この人、こんな人を、こんな表現で誉めてたんだぁと、ちょっとトリビアしちゃう一冊かな。
わたしが気に入ったのは、次の通り。
「山口百恵は菩薩である」
もちろん、これは評論家の平岡正明さんから百恵ちゃんに向けての誉め言葉。菩薩でっせ、菩薩。仏にならず、わざわざ衆生とともにあり、仏に導くというありがたい存在。すごい誉め言葉です。
わたし自身、この言葉、一回しか使ったことありません。
「来るべき世代の人間はきっと信じないだろう。こんな人間が、この大地の上を歩いていたことを」
これはアインシュタインがマハトマ・ガンジィを誉めた言葉です。もう、神様扱いです。
「諸君、帽子を脱ぎたまえ、天才が現われた」
これはシューマンからショパンへ。
ほかにもたくさん載ってます。なんと百も集めたんだと。
しかし、誉めるって難しい。お世辞とは違うものね、誉めるって。
相手のことをよーく見てないと、誉められませんよ。それだけ、相手を定点観測してないと無理。
関心、好奇心、そして深い愛情をもってないと、誉めるという芸当はできません。
最近、誉めてますか? それとも、貶してますか?
人による? そりゃそうだ。
150円高。
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3 「ツイてる!」
斎藤一人著 角川書店 720円
ご存知、スリムドカンの億万長者、斎藤一人さんの本です。
「これが最後の書き下ろし」だとか。まっ、語り下ろしですな。
生き方、仕事のしかたそのものが癒し系。この人、マンガにするとき、杖をついたおじいさんに描かれたとか。
そんな雰囲気ですもんねぇ。
でも、ホントはまだ56歳。老成してるというか、大人というか。精神的な面でも、わたしとはダンチです。
「売れるか、売れないか」という物差ではなく、「笑えるか、笑えない」が大切なんです、と。
売れてるから笑える・・・こういう人は多いと思います。
けど、最初に「笑える」という判断が来るわけ。
たとえば、スリムドカン、びっくりスタイル・・・これ、商品名ですね。これも笑えるかどうかでつけたネーミング。
ところで、わたし、「しゃきっと」という健康雑誌に連載してるんですけど、第一回目にこの「スリムドカン」「ひざこし元気」、あと一つ、実験台になってのんだことがあります。
もう大変。横浜から渋谷につくまで、お腹が下りっぱなし。たしかに、これなら痩せる、と思いました。
さて、この人、自分はいったいなんのためにこの世に生まれてきたんだろう、と考えた時、はたと思いついた。
「人生は遊行だ」
まるで、「梁塵秘抄」ですな。
「遊びをせんとや、生まれけん」
眉間に皺をつくって悩んじゃいけません。どんなにつらいことがあっても、時間が解決してくれます。
笑っていれば、きっと、もっといいことに出会えると思います。眉間に皺を作らせた人間のことなど、記憶から消してしまえばいいんです。
笑顔は無敵です。
嫌な上司との距離感も、この人生の達人にかかると面白い。
「滝行」と思え、とか。
滝行って痛いんですよ。ものすごくね。顔が変形するくらい、強いですよ、水の勢いは。
でも、だからこそ、効きます。
わたし、木曽の新滝で滝行したら、ガンコな肩こりが一発で治っちゃった。毎週、通ってた整体の先生から、「うん? なににかやった。筋肉がものすごく柔らかいよ」だって。
身体の調子、ものすごく良かったもの。
だから、上司の小言は滝行なわけ。
「よし、今日も滝に打たれに行くか」
小言を言われたら、「感謝してます(いい滝と巡り会えて良かったなぁ)」と思う。
悩みのない人は少ない、と思います。わたしも悩みがあります。
自分でまいた種。自分で刈り取らないといけません。
どうにもならない悩みは、自分ではどうにもならないんでしょう。けど、どうにかなることなら、なんとかしているはずだから、それは悩みにはならないんです。
しかし、その悩みに一生、悩んでいるかというと、そうじゃない。
一年前、どんなことに悩んでました?
覚えてますか?
一カ月前、あんなに泣いてたのに、昨日は笑ってた。昨日、あんなに明るかったのに、今日、暗くなってる。
もしかすると、明後日はまた笑っているかも。
どこが違うの? 悩みのせい?
違います。自分の考え方が変わったからです。
「こんな考え方もあるかもね。ケ・セラ・セラ」
「ツイてる、ツイてる」と言いながら、ツイてないことを考えられる器用な人って、いませんね。
ホントに悩んでる。困って大変。もう死にたいくらい。あんなヤツ、殺してやりたい・・・けど、そう思った瞬間、こう考える。
「でも、ツイてるな」
えっ、いったい何がツイてるの?
そんなこと、検証する必要なんてありません。
「人智を超えるほど、わたしはツイてるんだ」
これでいいんです。
250円高。
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