2004年10月25日「相手の気持ちをちょっと読めば仕事は不思議とうまくいく」「疲れすぎて無性にチョコレートが食べたくなるあなたへ」「すごい言葉」

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」


1 「相手の気持ちをちょっと読めば仕事は不思議とうまくいく」
 金児昭著 あさ出版 1400円

 人間通になるための本。
 なぜ?
 人の気持ちがわかれば、自然と仕事はうまくいくから。

 「人はだれでもすべて自分のこと、自分のためを考えて行動している。その時、ほんのちょっとだけ相手の気持ちを慮って行動するかどうかで、物事の進み方や深みが違ってくる」
 なるへそ。

 心の籠もった手紙の書き方。
 それは拝啓、敬具をつけないこと。
 もちろん、会社で使う公式文書などは形式が大事。だけど、私信の場合、心が通い合うかどうかがポイント。
 となると、この形式が邪魔しちゃうわけよ。

 たとえば、イトーヨーカ堂の伊藤雅俊さん(名誉相談役)。
 「緑がとても美しい季節になりました」(優しい書き出し)
 「ふだんから皆様には、いろいろお世話になり厚く御礼申し上げます」(感謝)
 「北海道かの露地物のアスパラをお送り申し上げます」(旬の品)
 「もうご存知かと思いますが・・・」(アスパラの皮の向き方、ゆで方などの説明)
 「なお、品質等不都合のある場合は、○○までお知らせくださるようお願い申し上げます」(念には念を)

 これは理屈ではありませんね。心根の優しさかな。

 著者は信越化学工業の経理、財務担当常務から、現在、顧問、並びに早大大学院客員教授をされてます。

 この会社は超優良企業ですけど、中興の祖といわれた小田切新太郎社長(当時)からはいろんなことを教わってます。
 たとえば、ソニーの井深大さんがこの会社を訪れた時のこと。エレベーターの前で小田切さんが見送りをしていた。
 お互いに頭を下げ、挨拶を交わして扉は閉まった。
 扉が閉まった後も、この社長は直立不動のままでいるわけです。
 すると、次の瞬間、扉が開いたんです。で、もう一度、頭を下げて挨拶。
 ところが、驚いたことに、もう一度、扉が開いてしまうわけ。
 で、また、挨拶。

 社長曰く、「私の経験では、エレベーターは一度閉まったからといって、必ずしも下へ降りていくものではないのです。扉が二度、三度開いた時、だれかが開けた時、お客様に失礼のないように、私はしばらく立っていることにしているのです」
 「会社だけでなく、世の中は、人に何かを頼むこと、頼まれることの連続です。私はもう七十歳になりますが、つくづく思います。何十万人の人に一挙に会うことはできませんが、この情けの気持ちをもって、一人一人の人に平素から接することが、ほかの何十万人の人を巡り巡って、自分のところに何かしら返ってくる。それが、ほかの人も自分も気持ちの良い人生を送っていくよい方法だと思います」・・・ですと。

 これ、人生の達人ですな。
 最近になって、私もようやくこういうことがわかりかけてきたような気がします。ホントはもっと早く気づいてないといけないんですけどね。
 ほら、高慢チキだからね。謙虚なようでいて、傲慢。失敗してようやく気づく。バカですねぇ。「愚者は経験に学ぶ」っていうもんねぇ・・・。

 てなわけで、仕事のやり方云々という本ではありません。どうすれば、人間関係をうまくやっていくか、そんな本かな。
 200円高。
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2 「疲れすぎて無性にチョコレートが食べたくなるあなたへ」
 カレン・リーナメン著 中経出版 1300円

 あなた、チョコ、好きですか?
 私、食べません。普段はね。食べるとしても、バーでくらいかな。栄養素はバッチリ、身体が温かくなってきます。
 だから、疲れてる時には意識して食べた方がいいのかもしれません。

 中には、ストレス解消のためにチョコばかり食べてる人、いますね。
 欲求不満?
 そう、思い通りになかなかいかない。だから、ついついチョコに手が伸びる。

 けどね、チョコを食べようと手を伸ばすよりも、電話やケータイに手を伸ばして、仲のいい友だちと話す。
 このほうが、よっぽど生産的なんじゃないかなぁ・・・。

 では、どんな友だちに打ち明けたらいいの?
 
 それは自分の弱い部分を隠さない人。
 守秘義務を守ることができる人。
 価値観が似ていて、分別のある解決法を模索してくれる人。
 あなたと同じ悩みを抱えている人。

 本書はストレスに振り回されている人向けに、いろんなアイデアが提案されています。

 ところで、チョコには、「フェニルエチルアミン」という物質の生成を促す作用があるんです。
 これ、通称、ラブ分子と呼ばれるホルモンで、恋愛の初期段階の気分になるものだとか。
 150円高。
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3 「すごい言葉」
 晴山陽一著 文藝春秋 720円

 すごい言葉という定義ですけど、これは「だれもが知ってるすごい言葉」と「著者しか知らないすごい言葉」。この2種類だそうです。

 てなわけで、「すごい言葉」の羅列と解説が続くというだけの本。

 「たしかにそうかもね」と価値観が共有できる言葉もありますし、「えっ、ホント?」と疑問に感じるものもあるし、「それそれ、それがいいたかったんだよ」とわが意を得たりという言葉もあります。

 たとえば、私が面白いと思った言葉・・・。

 「人生は大写しにすれば悲劇だが、遠写しにすれば喜劇である」
 これ、チャップリンの言葉ですね。

 「私は奴隷になりたくないがゆえに、主人にもなりたくない」
 リンカーンです。

 「楽観主義者はドーナツを見、悲観主義者はドーナツの穴を見る」
 たしかに、これ、詠み人知らず。

 「知識が増すほど、われわれの無知が明らかになる」
 ご存知、ジョン・F・ケネディですな。

 「議論は知識のやりとり、口論は無知のやりとり」
 朝まで議論する番組の出演者に聞かせてあげたいね。
 
 「結婚とは、男が自由を賭け、女が幸福を賭けるくじである」
 「お金より大事なものはたしかにある。問題は、そのどれもが金がかかるということだ」
 「十万匹の精子の中で、あなたがいちばんだったなんて信じられないね」
 たしかに・・・。
 150円高。
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