2006年01月30日「世界一になるキャッシュフロー経営」 堀江貴文・宮内亮治著 サイビズ 1450円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 これ、出たばっかしの本なのね。出版社としては慌ててるだろうなぁ。
 おいおい、著者2人がつかまっちまったよ。どうするよ? 返本の山かもしんないぞ。いや、逆に話題になって売れたりして。どっちかしかないなぁ。
 表紙に例の2人が仲良く出てます。で、「巨人の星」みたいに向こうを指さしてるのね。
 「二人三脚の経営論」だとさ。皮肉だなぁ。笑えないなぁ。
 もうしばらく経つと、彼ら、娑婆に出てくるから。その時、テレビで紹介してもらえるかもね。 

 これ、読むと今回の事件も起こるべくして起きたということがよくわかります。

 「時価総額・世界一」
 これがライブドアという会社の目標なのね。これを達成するためにはなんでもする。
 そして、「ボクは結構いけると思っています。それも。ごく近い未来に」(ホリえもん)
 「再来年かな」(宮内さん)

 「株式会社である限り、必然的に株価を上げて株主に報いることは使命です。だから、ライブドアを世界でもっとも株主に報いた会社にすることが、経営者としてのボクの仕事なのです」(ホリえもん)
 「それ以外の、哲学も美学も欲も余計なモノは、経営者としての堀江貴文にはありません」(ホリえもん)
 「日本というのは、東証という世界第2位の大きなサイズの株式市場がある場所なのですから、株式を公開し、時価総額を大きくして株式交換(出た!)でM&Aをして・・・と上手に循環させれば、時価総額も利益もドンドン大きくなります」(ホリえもん)
 
 宮内さんて、ライブドアの顧問税理士だったでしょ。顧問料、月15000円だったらしいよ。決算料込みで。
 これは安いよね。けど、引き受けた。理由は、労働が楽、それと世界一になると約束したから。

 「日本で成功しつつ、海外でも成功しないとダメでしょうね。ただ、日本で成功して東京マーケットで株価が急上昇して、時価総額がぶっ飛ぶ。そうなったら株式交換(出た!)の出番ですよね。ヨーロッパの会社なんて実力のわりには時価総額が安いまま放置されているところが多いから、すぐに買えますよ。アメリカの会社は総じて時価総額が高いので、課題はその点をどうクリアするかだけです」(宮内さん)
 
 たぶん、この会社、調子に乗って今年、来年くらいはヨーロッパの会社を買収していたかもしれないね。そのときに今回のことがばれたら大変だよ。おそらく、国際問題になって、下手すっと日本株
総売りになってたかも。
 いずれにしても、非難されることだけはたしかだな。

 ホリえもんの買収方針は2つでした。
 1つはその企業グループの利益。そして、もう1つはどの業界に属しているか。たとえば、インターネットのように成長性が投資家から認められていると、2000万円の利益が出ていたら、PER100倍の時価総額評価、つまり、20億円の価値になるわけ。
 だから、キャッシュを稼いですぐに買う。銀行なんかに預けない。これが鉄則なわけ。
 さすがに投資組合のカラクリについては企業秘密だったんだね。1行もありませんでしたよ。150円高。


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