2006年02月27日「勝ちたければ現場をつかめ」 藤巻幸夫著 きこ書房 1260円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 熱い人だね。燃える男、熱血人間、突貫小僧・・・とにかく負けん気が強くて、いつもハイテンション。ビジネス界の松岡修造だな、この人は。

 ひと言で言えば、「燃える男の人生道場」。読んでると、エールが聞こえてくるもんね。

 いま、ヨーカ堂の役員として注目浴びてるでしょ。
 ヨーカ堂はそごう、西武も買収しちゃったわけだし、デパート経営のできる人財を伊勢丹からもってきたわけどさ。スーパーとデパートの両方を経験できるというのは、ものすごいキャリアになると思うね。
 この人もヨーカ堂の次はどうなるんだろ?

 いまでこそ、カリスマバイヤー、再建請負人と言われてるけど、20代、30代はまさに修業時代。
 憧れのバーニーズに出向したものの、女性バイヤーたちの鞄持ち。自分の店で仕入れるのに、発注もさせてもらえない。パリでは「あんたの靴、ダサイわね」とセーヌ川にポイと捨てられちゃった。「チックショー!」と言ったかどうかはわかんない。小梅太夫じゃないんだかんね。
 けど、そんな気持ちわかるなぁ。
 「いつか、こいつらにリベンジしてやる!」と誓ったことは間違いない!って、長井秀和じゃないんだから。

 入社以来、失敗だらけ、腐ることも少なくなかった。けど、気を取り直してもう一度、頑張った。その連続。実に人間臭い。偉くない。等身大で書かれてる。
 きっと、20代30代のビジネスマンには共感するところが大きいと思う。
 たとえば、嫌な上司とのつき合い方、得意先の開拓方法、アイデアの閃かせ方、人を動かす要諦、いじめへの対抗方法、提案が握りつぶされた時の対処法などなど、ビジネスマンなら必ず遭遇する「試練」について、彼なりに熱く、しかも実戦的なアドバイスをしてくれてる。

 たくさん本を出してるけど、これがいちばんビビッドというか、迫力があると思うよ。
 いま、彼が何を考えてるか、どう手を打とうとしているか。流れや方向性がよぉく見えてくる一冊。会心の本です。350円高。
 

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