2006年06月27日「旅愁」
カテゴリー中島孝志の不良映画日記」
男と女の出会いなんて、こんなもんでしょ? 一寸先は光であり、闇ですね。
場所はイタリア、男はビジネスの世界で成功。そのかわり、家庭不和。妻とは離婚話が持ち上がってる。女はピアニスト。ずっとイタリア暮らしだが、1カ月後にカーネギーホールでリサイタルが待っている。
ひょんな縁から、ひょんな流れに。そして、ひょんな結果を迎える。人生は楽しいものですな、そして哀しいものでもありますな、ご隠居?
この映画、原題は「September Affair(1950年アメリカ映画)」っつうのね。「旅愁」と訳したのはピッタシ。
まだ飛行機がプロペラでさ。日本−アメリカ間でもハワイで給油してた時代だね。ほとんど終戦直後。海外旅行なんて、パンピーが気楽にできた時代じゃありませんな。
だから、「これ、イタリア観光局の宣伝映画?」っつうくらい、名勝がドカドカ紹介されてます。
笑っちゃうのは、数週間前のNHK。イタリアを紹介する特番だったんだけど、この映画で2人が辿った足跡をそのままトレースしてやんの。映画ファンを意識してのことだったら確信犯。お見事(まさか知らないでやったわけじゃないよな? ナポリの洗濯風景まで同じなんだからさ)。
さて、ローマを飛び立った飛行機。
「あなた、飛行機はじめて?」
「なぜ?」
「ベルトしてないから」
建築会社を経営する技師デビッド(ジョセフ・コットン)とピアニストのマニーナ(ジョーン・フォンテーン)の会話。
「あれ、この飛行機、ポンプがおかしいね」
すると、「ナポリで修理します」という放送が。「20分で直りますので、それまでにお戻りください」
「2時間はかかるさ。よかったら、ナポリ見物ってのはどう?」
「お供するわ」
あるレストランで。
「この音楽、私、大好き」
それが「September song」なわけ。聞き惚れるマニーナに時計を指さすデビッド。飛行場に戻ると、ちょうど飛び立った後。
「イタリアのエンジニアを少々見くびったようだ。スペインまで飛べばニューヨーク便に乗れるよ。それとも、カプリ島を見に行くかい?」
「準備で忙しいの・・・けど、イタリアにはもう来られないかもしれない。行くわ」
青の洞窟(パスタ屋さんじゃないよ)やフィレンツェをまわる。この間、2人は恋に落ちちゃうの。「こうなると思ってた」だってさ。
けど、マニーナのほうは本気になりたくないわけよ。
だって、デビッドは妻子持ちだもの。引き返すなら、いましかない。本気になって傷つくのは女だもん。
「1週間前に出会っていたら、君と暮らせていた・・・」
妻との仲が修復不能で離婚話が起こってたんだ。けど、「離婚したくない」って手紙が届いたの。
ところが、2人が乗るはずの飛行機が墜落!「乗客乗員全員死亡」というニュースが。もち、彼らの名前も含まれてた。
「早く知らせなきゃ」と航空会社に行くんだけど、奇しくも2人は同じことを考えるのさ。
「2人で新しい人生をはじめよう」
男は会社を捨て、女はピアニストを捨てる。そして、いまを生きる。2人で未来を生きようとするわけ。
「素敵な男だけど、彼には妻子がいる。盗んだ幸福は長続きしないわよ」とマニーナの恩師は窘めるんだけどね。
しばらくすると、妻がこの恩師を訪ねてきます。夫が事故前にこの恩師に大金を振り込んでるから。
その場でマニーナも彼の妻に会うのよ、知らぬふりしてさ。マニーナは妻の印象が全然違うんで驚きます。恩師も妻の態度に感動するんだな。
長男はマニーナに気づきます。そして、「父も生きている」ってわかる。もちろん、母親にも教えます。
すると、妻はね、「生きているだけで嬉しい。離婚を承諾します」という手紙を届けてもらうのね。
障害がなくなったデビッドとマニーナは、ニューヨークに戻ってきます。
けど、そこから本当のドラマがはじまるんだよ・・・。
私も旅に出るたびに、こういうローマンスを体験することが少なくないな。
なんちゅうの、あれ? そうそう、フェロモン。バンバンバリバリに出てるみたいで、知らない中に妙齢のご婦人方を吸い寄せてしまうらしいんだな。
証拠? 証拠はないんだけど、長年の勘というやつね。恋愛も達人クラスになると、相手の目を見ただけでわかっちゃうからね。罪な男だよ。
だから、「ハマの寅さん」と呼ばれてるんです。♪オレがいたんじゃ お嫁にゃいけぬ♪ってか。
ところで、デビッドの妻役、だれだと思う?
ジェシカ・タンディだよ。これは気づかない。あまりにも美しくて気品があるからね。
ジェシカ・タンディというと、やっぱ、「ドライビング・ミス・デイジー」でしょ。80歳でオスカーとったよね。あのイメージがあるもん。この時、40歳だと思うけど、なんと可憐な女性だろうって感動するね。
ジョーン・フォンテーン・・・ホントは気が強いんだろうなぁ。
あとさ、ヒロインのジョーン・フォンテーン。この人の父親って、東大教授だったのよ。もしかして、東京に住んでた? そう、聖心に通ってたの。
で、姉はあのオリビア・デ・ハビランドだぜ。映画「風とともに去りぬ」のメラニー役だよ。
この役ね、ジョーン・フォンテーンも狙ってたの。ところが、オーディションで姉に横取りされちゃった。「殺してやる!」「自殺する!」の大騒ぎだったらしいよ。
どっちかというと、私は妹のほうが好きだけどね。参考までに、真野響子・真野あずさ、中山美穂・忍、叶姉妹、まなかな、きんさんぎんさん・・・どれも妹のほうが好きだな。
理由? 若いから!
ジョーン・フォンテーンというと、やっぱ「レベッカ」「断崖」かな。姉のオリビアは「女相続人」? どれもおもしろいよね。
またいつかご紹介しましょうね。
忘れない中に言っとくけど、いま、日経のBizPlusで連載してます。「社長の愛した数式」っつうんだけど、こちらからアクセスしてね。
それと7月5日(水)に中島孝志講演会(無料)があります。「起業家支援セミナー」っつうんだけど、ご関心の向きはこちらからアクセスしてね。先着順だから、満員だったらゴメンね。
場所はイタリア、男はビジネスの世界で成功。そのかわり、家庭不和。妻とは離婚話が持ち上がってる。女はピアニスト。ずっとイタリア暮らしだが、1カ月後にカーネギーホールでリサイタルが待っている。
ひょんな縁から、ひょんな流れに。そして、ひょんな結果を迎える。人生は楽しいものですな、そして哀しいものでもありますな、ご隠居?
この映画、原題は「September Affair(1950年アメリカ映画)」っつうのね。「旅愁」と訳したのはピッタシ。
まだ飛行機がプロペラでさ。日本−アメリカ間でもハワイで給油してた時代だね。ほとんど終戦直後。海外旅行なんて、パンピーが気楽にできた時代じゃありませんな。
だから、「これ、イタリア観光局の宣伝映画?」っつうくらい、名勝がドカドカ紹介されてます。
笑っちゃうのは、数週間前のNHK。イタリアを紹介する特番だったんだけど、この映画で2人が辿った足跡をそのままトレースしてやんの。映画ファンを意識してのことだったら確信犯。お見事(まさか知らないでやったわけじゃないよな? ナポリの洗濯風景まで同じなんだからさ)。
さて、ローマを飛び立った飛行機。
「あなた、飛行機はじめて?」
「なぜ?」
「ベルトしてないから」
建築会社を経営する技師デビッド(ジョセフ・コットン)とピアニストのマニーナ(ジョーン・フォンテーン)の会話。
「あれ、この飛行機、ポンプがおかしいね」
すると、「ナポリで修理します」という放送が。「20分で直りますので、それまでにお戻りください」
「2時間はかかるさ。よかったら、ナポリ見物ってのはどう?」
「お供するわ」
あるレストランで。
「この音楽、私、大好き」
それが「September song」なわけ。聞き惚れるマニーナに時計を指さすデビッド。飛行場に戻ると、ちょうど飛び立った後。
「イタリアのエンジニアを少々見くびったようだ。スペインまで飛べばニューヨーク便に乗れるよ。それとも、カプリ島を見に行くかい?」
「準備で忙しいの・・・けど、イタリアにはもう来られないかもしれない。行くわ」
青の洞窟(パスタ屋さんじゃないよ)やフィレンツェをまわる。この間、2人は恋に落ちちゃうの。「こうなると思ってた」だってさ。
けど、マニーナのほうは本気になりたくないわけよ。
だって、デビッドは妻子持ちだもの。引き返すなら、いましかない。本気になって傷つくのは女だもん。
「1週間前に出会っていたら、君と暮らせていた・・・」
妻との仲が修復不能で離婚話が起こってたんだ。けど、「離婚したくない」って手紙が届いたの。
ところが、2人が乗るはずの飛行機が墜落!「乗客乗員全員死亡」というニュースが。もち、彼らの名前も含まれてた。
「早く知らせなきゃ」と航空会社に行くんだけど、奇しくも2人は同じことを考えるのさ。
「2人で新しい人生をはじめよう」
男は会社を捨て、女はピアニストを捨てる。そして、いまを生きる。2人で未来を生きようとするわけ。
「素敵な男だけど、彼には妻子がいる。盗んだ幸福は長続きしないわよ」とマニーナの恩師は窘めるんだけどね。
しばらくすると、妻がこの恩師を訪ねてきます。夫が事故前にこの恩師に大金を振り込んでるから。
その場でマニーナも彼の妻に会うのよ、知らぬふりしてさ。マニーナは妻の印象が全然違うんで驚きます。恩師も妻の態度に感動するんだな。
長男はマニーナに気づきます。そして、「父も生きている」ってわかる。もちろん、母親にも教えます。
すると、妻はね、「生きているだけで嬉しい。離婚を承諾します」という手紙を届けてもらうのね。
障害がなくなったデビッドとマニーナは、ニューヨークに戻ってきます。
けど、そこから本当のドラマがはじまるんだよ・・・。
私も旅に出るたびに、こういうローマンスを体験することが少なくないな。
なんちゅうの、あれ? そうそう、フェロモン。バンバンバリバリに出てるみたいで、知らない中に妙齢のご婦人方を吸い寄せてしまうらしいんだな。
証拠? 証拠はないんだけど、長年の勘というやつね。恋愛も達人クラスになると、相手の目を見ただけでわかっちゃうからね。罪な男だよ。
だから、「ハマの寅さん」と呼ばれてるんです。♪オレがいたんじゃ お嫁にゃいけぬ♪ってか。
ところで、デビッドの妻役、だれだと思う?
ジェシカ・タンディだよ。これは気づかない。あまりにも美しくて気品があるからね。
ジェシカ・タンディというと、やっぱ、「ドライビング・ミス・デイジー」でしょ。80歳でオスカーとったよね。あのイメージがあるもん。この時、40歳だと思うけど、なんと可憐な女性だろうって感動するね。
ジョーン・フォンテーン・・・ホントは気が強いんだろうなぁ。
あとさ、ヒロインのジョーン・フォンテーン。この人の父親って、東大教授だったのよ。もしかして、東京に住んでた? そう、聖心に通ってたの。
で、姉はあのオリビア・デ・ハビランドだぜ。映画「風とともに去りぬ」のメラニー役だよ。
この役ね、ジョーン・フォンテーンも狙ってたの。ところが、オーディションで姉に横取りされちゃった。「殺してやる!」「自殺する!」の大騒ぎだったらしいよ。
どっちかというと、私は妹のほうが好きだけどね。参考までに、真野響子・真野あずさ、中山美穂・忍、叶姉妹、まなかな、きんさんぎんさん・・・どれも妹のほうが好きだな。
理由? 若いから!
ジョーン・フォンテーンというと、やっぱ「レベッカ」「断崖」かな。姉のオリビアは「女相続人」? どれもおもしろいよね。
またいつかご紹介しましょうね。
忘れない中に言っとくけど、いま、日経のBizPlusで連載してます。「社長の愛した数式」っつうんだけど、こちらからアクセスしてね。
それと7月5日(水)に中島孝志講演会(無料)があります。「起業家支援セミナー」っつうんだけど、ご関心の向きはこちらからアクセスしてね。先着順だから、満員だったらゴメンね。