2006年07月09日木10もリメイクか!

カテゴリー中島孝志のテレビっ子バンザイ!」

 しっかし、この前のテレビ改編によるドラマは各局とも全滅でしたね。
 「テレビキャスター」「ブス恋」(CXフジ)が視聴率的には検討してたらしいけど、内容があれじゃあね。「クズ」もいまいちだったし、「医龍」にいたってはあまりのリアリティのなさに笑ってしまいました。最初から終わりまで「バチスタ、バチスタ」っつってたけどさ。
 これ、本(脚本)が悪すぎるよ。で、個人的には「クロサギ」を見てた(前の『夜王』は良かったなぁ)。

 ここ数年、ドラマ畑の地盤沈下が激しいのか、なにかっていうとリメイクじゃん?
 「アテンションプリーズ」にしても、先週スタートした「不信のとき」もそう。そういえば、「白い巨塔」「砂の器」「白い影」もみんなそうだね。



 「不信のとき」なんて、元々、1968年の映画だよ。若尾文子、田宮二郎、岡田茉莉子が出演したのね。
 この時、配役の序列が4位だってんでむくれた田宮二郎が大映のオーナー永田ラッパに解雇されるどころか、業界を追放されちゃったわけ。
 けど、これが縁で「クイズタイムショック」の司会者に抜擢。で、大映は翌々年に倒産しちゃうんだからさ。運というのはわかんないものだよねぇ。

 この作品、さすが有吉佐和子。脚本が良いからリメイクも多い。
 長門裕之、茅島成美版もあったし、十朱幸代、渡瀬恒彦、加賀まりこ版もあった。
 で、今回は米倉涼子と松下由樹ときたもんだ。
 ところで、これ、どっちが正妻でどっちが愛人に見える? 100%、米倉愛人、松下正妻でしょ? 「黒革の手帖」もあるしさ。けど、そこをいじって逆にした。松下由樹は芸達者だから愛人役もうまくこなしまっせ、きっと。
 この作品は視聴率とれますよ。スピード感があるし、音楽(『あぁ無情』はいいね。作詞は湯川れい子さん)もぴったし(うるさいくらい使ってる)。

 愛人と正妻を天秤に掛けて愉しむ男。けど、実は周囲の女たちに自分のほうが天秤に掛けられていたんだって気づいたとき、いかに男って間抜けな生物かってことがわかる。バカな男が蟻地獄にはまっていく姿はある意味痛快かもしれないな。
 したたかな女、ずるい女の生態を描かせたら、ほんと、有吉佐和子は抜群だかんね。

 けどさ、事実は小説よりも・・。っていうじゃん。知り合いの女性なんてしたたかで、3人の男から同時にベンツをせしめたんだよね。もち、全部同じタイプ。2台は売って現金化。
 男? そりゃ、みんな、俺が買ってやったんだと思ってるだろうね。

 女性を甘く見ると痛い目に遭いますなぁ、ご同輩。
 計算してない女でも、最後は辻褄を合わせてしまう能力を持ってますからね。力ではかなわない女性に、神様は知恵という力を授けたんでしょうな。
 男は最後にいつもどんでん返しを喰らってノックアウトされちゃう。このドラマも、最後のどんでん返しがおもしろいんだけどね。
 これからの展開が愉しみ・・・といっても、内容知ってるからなぁ。

 最後にテレビ局の企画能力のないドラマ担当者へのアドバイスとしては、同じ有吉佐和子の「悪女」を徹底的に現代バージョンに置き換え、「牡丹と薔薇」くらいメリハリのある脚本にしたら、視聴率20%くらいはとれまっせ。
 一度、考えておくんなはれ。