2014年01月27日選挙下手やなあ。。。

カテゴリー中島孝志の不良オヤジ日記」

 都知事選ですね。なぜか都民よりも外野のほうがやんややんやと騒いでいるように聞こえますな。原原にしても、「都知事はだれがなると思いますか?」と聞くのは必ず地方のメンバーたちでした。

 「関係ないけど」と頭につけてそれとなく質問されます。関係ないことはありません。国政にも影響しますよ。「原発再稼働」についてのメルクマールになることは事実ですから。

 ついでなんで、候補者の演説をチラとを聴いてみました。
 ひと言で言うと、「つまらない!」という印象しか受けなかったなあ。残念だけど。落選を怖がって奥歯にものの挟まったような言い方ばかりではつまらんなんなあ。なにか目を引くぶっとんだ提案がないかと思ったんですけどねえ。

 聞けるのは田母神さんくらい。安倍首相と田母神さんのツーショット。ええんでないかい。ますます中韓はヒートアップするかもしれんけど。んなこた関係ねえ。はい、オッパッピーです。
 「日中首脳会談が遅い」だの「韓国との和解がおろそか」とか、アメリカのお先棒担ぎをしているメディアは騒ぎますけど、首脳会談をしてほしいのはあちらです。安倍さんは中韓を除く世界の首脳とせっせと会談を展開すればいいの。で、「日本はいつでもドアを開けています」と言い続ければいいわけ。

 在任中に会談がなくたっていいの。日本は困りませんから。

 さて、演説でおもしろかったのは・・・小泉さん。感動したのか、隣で細川さんは涙流してましたなあ。その姿を拝見すると、年とりましたなあ。「老骨にむち打って」という悲壮感は有権者の心を打つかもしれません。

 小泉さんの戦略は争点を「原発」に絞り込んで、細川さんを当選させること。

 「都政の問題は原発だけじゃない。しかし原発を除いてほかの政策は、候補者のだれが知事になってもたいして違いはないと、思いますよ」と演説。

 原発が嫌なら細川さんか宇都宮さんのどちらかに投票せよ。もち、この2人なら細川さんの圧倒でしょう。
 「たいして違いはない」という小泉さんとしては、ぎりぎりの段階で宇都宮さんに降りてもらって細川一本化を願っているでしょう。最終コーナーで優勢にほうに票を集めるという手はありですな。すなわち、都知事は細川さん、副知事は宇都宮さん、ということです。

 一方、明確に再稼働を宣言するのは田母神さん。

 あのね、全候補とも「脱原発」を全面的に訴えればいいの。その瞬間、「たいした違い」もなくなります。

 さて、小泉さんの原発反対は「反原発」それとも「脱原発」のどちらなんでしょう?

 できれば危険な原発なんて稼働したくない。これは国民も全員一致していると思いますよ。しかし、「円安で原油・天然ガスの輸入で貿易赤字は激増している」「それが国民生活に大きな打撃を与えている」「だから代替エネルギーができるまでは使わざるを得ない」・・・と考えるのが「再稼働派」なわけです。

 争点を原発問題に絞りたい小泉さんは、無理矢理、「再稼働派=原発積極推進派=賛成派」と分類したいわけでしょ。苦渋の選択で再稼働を選択しているわけでね。灰色なんだけど、黒か白かと分類したがる。

 そうそうかつての「郵政民営化選挙よ、もう一度」です。あんた民営化に賛成か反対か、という二者択一ですね。

 「有権者はメニューがいろいろあると選べない。迷わなくてもいいよう、Aランチ(原発再稼働反対)かBランチ(原発再稼働推進派)のどちらがいい?」とご親切にまとめてくれたわけです。

 では、このAランチとBランチの違いはどこにあるのでしょうか? Aランチは「いますぐ反対」というメニューです。Bランチは「代替エネルギーができたら反対」というメニューです。つまり、時間が早いか遅いかの違いだけなんですね。

 いまある原発を廃炉するのにどれだけ時間がかかりますか? 早くとも50年です。あのね、これだけあれば代替エネルギーは間に合いますよ。

 太陽エネルギーのような、税金とコストばかりかかってまったくあてにならないエネルギーではありません。日本にいちばんふさわしい地熱発電も十分開発できます。

 既存のエネルギーも低コストになります。安倍さんはアメリカと中国が嫌がるプーチンのロシアとモンゴルと協力してサハリン、シベリアを本格的に開発協力します。安い天然ガスが輸入できるようになります。インドネシアからの原油もあります。メディアは盛んに宣伝してますけど、アメリカのシェールガスも5年以内に輸入できるらしいしですしね(私はまったく信じていませんが)。

 遠い中東に依存しなくてもよくなれば、エネルギーコストは激減します。円安の輸入コストは好転します。

 それまで原発を稼働すればいいだけです。しかも、日本にとって重要なことは、「原発停止」と政権が決めれば足元を見られて産油国は値を上げてきます。「再稼働あり」というポーズだけで天然ガスの相場は3分の1になりました。世界の需要の半分は日本ですからね。原油にしても、EU28ヵ国で7兆円に対して日本1国で30兆円です。

 世界市場に与えるインパクトは大きいんです。そういう意味で、都知事選をいちばん注目しているのは産油国だと思います。

 こんなことを書いていたら、ただいまタイミング良く速報が流れました。
 「13年の貿易赤字、過去最大の11兆4745億円」とのこと。財務省の貿易統計ですね。「比較可能な1979年以降で最大」「円安を背景に燃料の原粗油や液化天然ガスの輸入額が高水準だったことが影響」とのこと。
 絶妙ですね。「やっぱ円安はダメだ。アベノミクスの逆風が吹いてる」というより「なんだかんだ言ってもやっぱ原発か」と考える人が増えるでしょう。政府の意思が感じられる速報ですね。今夜のニュースショーでもコメンテーターが何を言うか想像できますよ。

 ついでに話します。

 原発リスクは地震や津波よりもテロと噴火です。極端な話、全国の原発にミサイルが撃ち込まれたら日本は終わりです。しかし日本市場がなくなれば世界も終わりです。日本を殲滅したい狂った首領がいるかもしれませんが、だからこそ外交が重要なわけですね。

 もし姶良カルデラが噴火したら住めるのは東北から北海道だけになります。このほうがずっと怖い。いまの関東の地層は富士山噴火でできたのではなく、姶良カルデラ噴火の結果ですからね。

 困ったことに、地震よりも予測が難しい。

 小泉さんのいう通り、原発問題にしても、実は反対派も推進派(条件付き賛成派)も「たいして違い」はないんです。「いますぐ」といっても、ご存じの通り、稼働を停めても核廃棄物は存在し続けます。問題は原発ではなく、この核廃棄物にあります。放射性物質はこれですからね。廃棄しても半減期は十万年単位の時間がかかります。

 原発のみを争点にしても、防衛、経済、外交などなど、たくさんの問題を孕んでいまする。大切なのは自分の頭で考えることであることは変わりません。

 なお、「舛添先行」との新聞発表を信じていません。「細川・小泉優勢」と判断しています。けどね、小沢さんの「操り人形」だったお殿様にいったい何ができるんかね。今度は小泉さんの操り人形。政治家は上品なだけじゃダメなのよ。ケンカできる人間じゃないとさ。

 ケンカできない海部俊樹、宮沢喜一、菅直人、そして細川さん。いずれの内閣も塩をかけられたナメクジのようでしたな。


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