2009年03月19日「クラウドの衝撃」 城田真琴著 東洋経済新報社 1575円
昨日、米国市場でIBMがサンマイクロ買収を交渉中と発表。おかげでIBMは株価を下げる一方、サンのほうは前日比80%高という驚異的な株価。
でも、どうして? IBMが? よりによってサンマイクロを?
これが「クラウドの衝撃」の先にあるものなのよね。
クラウドとは雲のこと。酸性雨? いやいや違います。クラウドとは雲のように天上にあるもの。ほしいときにはいつでもそこから降ってくるもの。そういうイメージでコンピュータの世界をとらえ直してみましょうや。
「10年後には社内で運用されるサーバはなくなり、すべてがコンピュータ・クラウドに移行する」と述べるのは、米マイクロソフトのCEOスティーブ・バルマー。
「世界にコンピュータは5台あれば足りる。1つはGoogle、2つ目はマイクロソフト、そしてYahoo!、アマゾン、イーベイ、セールスフォース・ドットコムだ」
これはサンマイクロシステムズのグレッグ・パパドポラス。
コンピュータのソフトとハード両業界の2人の巨人の発言はおおいに波紋を呼んだ。なぜなら、自社のビジネスを根幹から否定しかねない発言だからですな。
けど、これが実は米国企業(まともな)のダイナミズムなのよ。「安泰でいいですね」「これからも盤石です」なんてのはなんの評価もされないし、経営陣は不安がる。
逆に、このままではいけない。こう変えなくちゃ未来はない。こんな創造的破壊に挑戦することが、実は大企業病の予防にもなるし、未来の事業利益を総取りする仕掛けでもあるわけ。
そういえば、いまから25年前。長谷川景太郎さんと話してたとき、こんなこと言うわけ。
「この前、IBMから論文を頼まれた。で、○年後、IBMは潰れると書いた」
「けんか売ってるようなねんですね」
ところが、長谷慶さん曰く、論文の対価は私が想像してるのより二桁は多い額が振り込まれてきた、とのこと。となると、もしかして1000万円単位?
ま、こういうマインドなわけ。で、事実、数年後、巨人IBMは大不振に見舞われます。パソコン事業は中国に売却しちゃったもんねえ。
さて、クラウドですけどね。
「今日、われわれせは雲の中にいる。われわれは『クラウド・コンピューティング』の時代に移行しつつあり、情報もアプリケーションも特定のプロセッサやシリコン・ラックの上ではなく、拡散したサイバースペース大気圏の中から提供される。ネットワークが真にコンピュータになるのだ」
このように、GoogleのCEOエリック・シュミットが「英エコノミスト」で初めて「クラウド」というキーワードを発表したわけ。
つまり、ユーザーは適切なプラウザとかアクセス手段があれば、PC、Mac、ケータイ、プラックベリー、その他の端末から、いくらでもこのクラウドにアクセスできるわけ。ということは、現在のようにソフトウエアを購入したり、ダウンロードする必要なし、ということ。
そうなったら、マイクロソフト、オラクル、IBM、HP、サンマイクロの凋落。台頭するのは(すでに台頭してるけど)Google、アマゾン、セールスフォースなどのネットワークで頭角を現してきた企業になりますな。これ、「クラウド・ネイティブ企業」ですな。
さてと、アマゾンがいちばん売れるのはやっぱクリスマス前後。で、どんなにアクセスが集中してもダウンしませんな。Webサーバの負荷に耐えられるわけ。
これは高度なスケーラビリティのコンピュータ・インフラが整備されてるから、負荷をあちこちに分散しちゃうわけ。
アマゾンのサービスを支えているのはMITのマーティン・リナードらが提唱する「エラー忘却型コンピューティング」なわけ。通常のプログラムと違うのは、メモリになにかしらエラーが発生しても、そもそもなかったこととして処理を継続しちゃうというもの。
きわめて、人間的な技術ですな。あ、それ、見なかったことにしちゃおう、ってね。
Googleはクラウドのためにものすごいデータセンターを建設してます。
06年2300億円。07年2900億円。米国だけで20カ所。全世界では36カ所。オクラホマのデータセンターは800エーカー。東京ドーム70個分。アイオワは104個分。全世界で100万台以上のサーバを保有してるわけ。また、日米を結ぶ海底光ファイバケーブル建設も発表してるわけ。
一方、マイクロソフトはGoogle追撃のためにYahoo!買収に動いたけど失敗。逆に、GoogleはYahoo!を取り込むなど、この分野、もう勝負はついたも同然。
すぐそこまで来ているコンピュータの大革命。「クラウド」というキーワードに要注目です。300円高。
でも、どうして? IBMが? よりによってサンマイクロを?
これが「クラウドの衝撃」の先にあるものなのよね。
クラウドとは雲のこと。酸性雨? いやいや違います。クラウドとは雲のように天上にあるもの。ほしいときにはいつでもそこから降ってくるもの。そういうイメージでコンピュータの世界をとらえ直してみましょうや。
「10年後には社内で運用されるサーバはなくなり、すべてがコンピュータ・クラウドに移行する」と述べるのは、米マイクロソフトのCEOスティーブ・バルマー。
「世界にコンピュータは5台あれば足りる。1つはGoogle、2つ目はマイクロソフト、そしてYahoo!、アマゾン、イーベイ、セールスフォース・ドットコムだ」
これはサンマイクロシステムズのグレッグ・パパドポラス。
コンピュータのソフトとハード両業界の2人の巨人の発言はおおいに波紋を呼んだ。なぜなら、自社のビジネスを根幹から否定しかねない発言だからですな。
けど、これが実は米国企業(まともな)のダイナミズムなのよ。「安泰でいいですね」「これからも盤石です」なんてのはなんの評価もされないし、経営陣は不安がる。
逆に、このままではいけない。こう変えなくちゃ未来はない。こんな創造的破壊に挑戦することが、実は大企業病の予防にもなるし、未来の事業利益を総取りする仕掛けでもあるわけ。
そういえば、いまから25年前。長谷川景太郎さんと話してたとき、こんなこと言うわけ。
「この前、IBMから論文を頼まれた。で、○年後、IBMは潰れると書いた」
「けんか売ってるようなねんですね」
ところが、長谷慶さん曰く、論文の対価は私が想像してるのより二桁は多い額が振り込まれてきた、とのこと。となると、もしかして1000万円単位?
ま、こういうマインドなわけ。で、事実、数年後、巨人IBMは大不振に見舞われます。パソコン事業は中国に売却しちゃったもんねえ。
さて、クラウドですけどね。
「今日、われわれせは雲の中にいる。われわれは『クラウド・コンピューティング』の時代に移行しつつあり、情報もアプリケーションも特定のプロセッサやシリコン・ラックの上ではなく、拡散したサイバースペース大気圏の中から提供される。ネットワークが真にコンピュータになるのだ」
このように、GoogleのCEOエリック・シュミットが「英エコノミスト」で初めて「クラウド」というキーワードを発表したわけ。
つまり、ユーザーは適切なプラウザとかアクセス手段があれば、PC、Mac、ケータイ、プラックベリー、その他の端末から、いくらでもこのクラウドにアクセスできるわけ。ということは、現在のようにソフトウエアを購入したり、ダウンロードする必要なし、ということ。
そうなったら、マイクロソフト、オラクル、IBM、HP、サンマイクロの凋落。台頭するのは(すでに台頭してるけど)Google、アマゾン、セールスフォースなどのネットワークで頭角を現してきた企業になりますな。これ、「クラウド・ネイティブ企業」ですな。
さてと、アマゾンがいちばん売れるのはやっぱクリスマス前後。で、どんなにアクセスが集中してもダウンしませんな。Webサーバの負荷に耐えられるわけ。
これは高度なスケーラビリティのコンピュータ・インフラが整備されてるから、負荷をあちこちに分散しちゃうわけ。
アマゾンのサービスを支えているのはMITのマーティン・リナードらが提唱する「エラー忘却型コンピューティング」なわけ。通常のプログラムと違うのは、メモリになにかしらエラーが発生しても、そもそもなかったこととして処理を継続しちゃうというもの。
きわめて、人間的な技術ですな。あ、それ、見なかったことにしちゃおう、ってね。
Googleはクラウドのためにものすごいデータセンターを建設してます。
06年2300億円。07年2900億円。米国だけで20カ所。全世界では36カ所。オクラホマのデータセンターは800エーカー。東京ドーム70個分。アイオワは104個分。全世界で100万台以上のサーバを保有してるわけ。また、日米を結ぶ海底光ファイバケーブル建設も発表してるわけ。
一方、マイクロソフトはGoogle追撃のためにYahoo!買収に動いたけど失敗。逆に、GoogleはYahoo!を取り込むなど、この分野、もう勝負はついたも同然。
すぐそこまで来ているコンピュータの大革命。「クラウド」というキーワードに要注目です。300円高。