2010年10月12日「ボリショイの歌姫 心の旅」 川副千尋著 春秋社 1890円

カテゴリー中島孝志の通勤快読 年3000冊の毒書王」

 今日の原理原則研究会の特別ゲスト、川副千尋さんの本ですね。

 千尋さんは、ボリショイ歌劇場で外国人初のプリマドンナとしてデビュー。「世界最高のタチアーナ」とヨーロッパで絶讃された方です(来年12月サントリーホールでコンサートをします)。
 いま来日中なので急遽、ゲスト講師として来ていただくことになりました。

 勉強のテーマは「ボリショイの歌姫・心の旅」。講演だけではもったいないので、有名オペラの聴き所をちょいと披露してもらおうと思います。
 また千尋さんの歌唱指導で原語でロシア民謡を一緒に愉しみましょう(ロシア語歌詞カードは用意します)。伴奏は中国、チェコ、ルーマニアで活躍されているピアニスト川村奈美子さん。ゴージャスですよ。

 豪華ゲストによる音楽講話とオペラ、ロシア民謡の夕べです。



 さて、本書は冒頭の数頁、カラー写真がたっぷり。ボリショイはじめ、ヨーロッパの劇場でのプリマドンナぶり。ゴージャスですな。

 驚いたのは、この人、声楽を志向したのは17歳なのね。
 もちろん、ピアノのある生活だったらしいですよ。けど、それはごくごく普通のご家庭でも見られますよね。クラブ活動が忙しくて音楽どころではなかったんですね。

 でも、運命の女神はいろんな仕掛けをするもので、「声楽コース」に急接近したのは高校で合唱部に入ったこと。
 メンバーが15〜6人しかいない。それでも関東大会で優勝しちゃう。

 指導者がすごいんです。まだ30歳の若い音楽教師。芸大出身の椙山先生。
 
 ここまて来たら、全国出場してみたい・・・そうなりますよ。で、そのためには層を厚くしなきゃ。ほかの学校はもっと多いんですよ。で、部員集めに奔走します。
 なんと70人集めちゃった。

 進学校に通ってましたからね。音大という選択はない。でも、強烈に音大、しかも声楽を勧める人がいたんです。
 椙山先生ですね。両親を説得するために来てくれたりしてね。
 で、それから椙山先生の指導で学校で朝練ですよ。

 高3からいきなり芸大受験なんて考えられませんね。
 しかも、肝心の先生がくも膜下出血で急逝してしまう。もう絶望ですね。音大はすっぱりやめてみなと同じように文学部でも行こう、と考えます。

 ところが、運命の女神は許さないんですね・・・続きはこちらからどうぞ。